米軍の新基地建設が計画されている名護市キャンプ・シュワブ内で石器や土器が相次いで見つかっていることを受け、名護市教育委員会が出土地一帯を「遺物散布地」として認定するよう県教育委員会に届け出たことが21日、分かった。県教委と市教委は近く、認定に向けた本格協議を始める。遺物散布地と認められれば、本格調査などで基地建設に影響が出る可能性がある。また内陸部の試掘調査でも、石器や陶器とみられる出土品4点が新たに見つかった。(社会部・鈴木実、北部報道部・榮門琴音)

 遺物散布地は、石器や土器などが地表面などに多数存在する場所を指す。市教委は、より考古学的に意義のある「遺跡認定」も視野に入れるが、これまでのところ認定の基準となる貝塚や住居跡などの遺構は見つかっていないという。

 シュワブの海辺では昨年、石器や土器などが見つかり、17点が文化財に認定された。新たな出土品が発見されたのは、この海辺に近い内陸部で、石器とみられるものが3点、陶器とみられるものが1点ある。市教委は現在、新基地建設に伴って設置される作業ヤードや仮設道路の予定地周辺で、約300カ所の試掘調査を進めており、その過程で出土した。詳しい出土場所や時期は明らかにしていない。

 市教委は、これまで石器などが見つかった海沿いと内陸部の一帯を遺物散布地とするよう求めている。両教委は出土状況や位置などを踏まえながら、認定の可能性や範囲を見極める方針だ。遺物散布地と認定された場合、さらに範囲を拡大して試掘調査することも考えられ、基地の建設工事が遅れる可能性がある。

 市教委は今月上旬、遺物散布地としての認定申請と新たな出土品の発見届を提出。21日までに県教委に届いた。

 県教委文化財課は「まだ資料が届いたばかりであり、認定が可能か現段階では判断できない。専門的な立場から、市教委としっかり協議したい」と話している。