昨年4月に沖縄市の自宅でNPO法人代表の女性=当時(63)=が殺害され現金などが奪われた一連の事件で、強盗殺人、窃盗、住居侵入、銃刀法違反の罪に問われた住所不定無職の少年(19)の裁判員裁判の判決公判が22日、那覇地裁(鈴嶋晋一裁判長)であった。鈴嶋裁判長は「典型的な強盗殺人で、酌量減軽をすべき事情は認められない」として求刑どおり無期懲役を言い渡した。県内の少年事件の裁判員裁判で無期懲役が言い渡されたのは初めて。

 不定期刑を求めていた弁護側は「主張が認められず残念だ」として、被告少年と相談して控訴するか検討するとした。被害者の長女は「求刑どおりの判決が出たことに安堵(あんど)している」とするコメントを発表した。

 判決は、少年が女性宅に侵入する時点で、家人に見つかった場合は包丁を用いてでも金品を強奪する意図があったと指摘。マスクで顔を隠すなどして及んだ犯行は、一定の計画性があるとした。

 弁護側は少年がショルダーバッグとポーチしか盗んでおらず、それ以外の物色行為をしていないことや、証拠が残らないように配慮した形跡がないとして女性宅の犯行では殺人と窃盗罪などの成立を訴えた。これに対し判決は、これまで女性宅で窃盗に及んだ際にも証拠を残さないようにしていた様子はないなどとして弁護側の主張を退けた。

 被告が人格の未成熟な少年であり、犯行時は中等度のADHD(注意欠陥多動性障がい)だったことは量刑を決める際に考慮する必要があると指摘。しかし、窃盗で2回少年院に入院し、更生の機会がありながら、退院から約半年後に犯行に及んでいると指摘。

 また、本件強盗殺人へのADHDの影響は小さいと考えられ、これらの点を被告に有利に考慮するとしても限界があるとした。

 女性の長女も、被害者参加制度を利用して出廷。22日までに、「損害賠償命令制度」に基づき、少年側に損害賠償を求める申し立てを地裁に起こした。