沖縄戦で看護動員されたひめゆり学徒隊の体験を伝える沖縄県糸満市のひめゆり平和祈念資料館で30日、島袋淑子(よしこ)館長(90)の退任式があった。駆け付けた平和ガイド関係者や職員ら約30人を前に、島袋さんは「私たちの何倍も資料館のことを研究した職員たちに囲まれ、今日を迎えることができた。亡き先生方や友にも報告し感謝したい」と涙ぐみながら語った。後任の館長には4月1日付で普天間朝佳(ちょうけい)副館長(58)が就任し、島袋さんはできる範囲で証言員を続ける。

館長退任式で、涙ぐみながら関係者の花束を受け取る島袋淑子さん=30日、糸満市伊原・ひめゆり平和祈念資料館

 本部町出身の島袋さんは沖縄師範学校女子部に在学中だった17歳の時に沖縄戦に動員され、戦後は33年間の教員生活を送った。1989年の資料館開館に向けて資料収集に携わったほか、開館後は館内外で証言活動に取り組んだ。副館長を経て2011年4月から7年間、7代目館長を務めたが、高齢のため退くことになった。

 退任式で島袋さんは「いつ、どこで亡くなったのか。1人でけがをして何日も苦しんで亡くなった友だちがいるんじゃないか。そういうことも考えながら過ごしてきた」と偲び、「これからも資料館のためにできることがあったら、若い職員とともに頑張りたい」と決意を込めた。

 島袋さんは退任を前に、戦争体験や証言活動などをまとめた自分史「ひめゆりとともに」を刊行。印刷した500冊のうち300冊は4月以降、県内の書店に並ぶ。問い合わせはフォレスト、電話098(963)5155。