任期満了に伴う宜野湾市長選が24日、投開票される。

 立候補しているのはいずれも無所属で、再選を目指す現職の佐喜真淳氏(51)=自民、公明推薦=と、元県幹部の新人志村恵一郎氏(63)。

 佐喜真氏を政府、与党が全面支援し、志村氏を翁長雄志知事や県政与党などの勢力が推す構図である。

 選挙結果によっては米軍普天間飛行場の辺野古移設にも影響を与えるだけに、中央政界の関心も高い。

 選挙戦最終日の23日は、冷たい雨や寒風が吹きすさぶ中、打ち上げ式を行った。

 佐喜真氏は「市民は普天間飛行場に悩まされ、苦しめられてきた。固定化は絶対許さない。フェンスを取っ払って子どもたちに481ヘクタールを与えよう」と声を振り絞った。

 志村氏は「普天間飛行場を辺野古に持っていっても何の解決にもならない。負担軽減にもならない。市民代表として政府に全力で普天間閉鎖を訴えていく」と力を込めた。

 沖縄タイムス社などによる電話世論調査で「市長選で何を一番重視するか」との問いに「普天間移設問題」と答えた人が44%と最も高かった。にもかかわらず、告示後、両者の対立軸がはっきりせず論戦が深まったとはいえない。

 佐喜真氏は「普天間の固定化を許さず、5年以内の運用停止、一日も早い閉鎖・返還」を訴え、「辺野古移設」の是非に言及しないことを選挙戦術として徹底した。

 志村氏は「辺野古新基地建設反対」を前面に打ち出し、「普天間の5年以内の運用停止、一日も早い閉鎖・返還」は翁長知事とともに政府に求めていくと訴えた。

■    ■

 1996年に普天間飛行場の返還が県内移設条件付きで日米合意してからことしで20年を迎える。

 国政レベルの問題を市長選で問わなければならないのは宜野湾市が普天間を抱え、日米両政府が県内移設の条件をつけているからである。

 安倍政権は「辺野古が唯一の選択肢」と強弁している。政策に「唯一」などあろうはずがないのにである。「安全保障に関わることは国全体で決めることだ。一地域の選挙で決定するものではない」とも言っている。

 安全保障政策は国の専管事項で、誰が首長になっても辺野古移設の方針は変わらない、と言いたいのだろうが本当にそうだろか。

 この20年間、歴代の知事や関係首長を見れば、辺野古新基地建設問題にどういう姿勢で向き合うかによって状況が変わってきた。

■    ■

 市長選は市民生活に密着したテーマも重要だ。

 宜野湾市の待機児童は深刻である。両氏とも待機児童の解消や小中学生の医療費・給食費の無料化などを掲げている。財源をどう捻出するかの観点から論戦を交わすべきだが、十分になされたとはいえない。産業振興や西海岸開発も公約の実現にどう取り組むか道筋を示す必要があるが、具体性に欠けた。

 宜野湾市の望ましい未来を誰に託するのか。有権者は両氏の政策の違いを見極め、一票を投じてほしい。