「今日はめでたや 今帰仁ムラぬ 献穀田(けんこくでん)の御田植え 我ら乙女が 真心込めて 植えれば 稲は20日後に 穂に穂が 咲いて栄えませ」-。かつて天皇に献上するための米をつくるため、田植えの時に歌った「献穀田」を披露するのは沖縄県今帰仁(なきじん)村謝名出身で102歳になる神山ウトさん。「みんなが集まってにぎやかなのが好きだよ」と自慢の喉を披露した。

「にぎやかな場所が大好き」と話す102歳の神山ウトさん=今帰仁村湧川

 今帰仁尋常高等小学校を卒業し、19歳まで家業の手伝いをしながら、村平敷の「献穀田」と呼ばれる田んぼで田植えをしたという。「収穫した米は、お箸でひと粒ひと粒選んで2日かかった。天皇に献上するものだから」と振り返る。

 同年生が紡績勤めで本土に行く中、神山さんは沖縄に残り、23歳で名護大西出身で同じ年の康忠さんと結婚。「名護のおばさんが経営していた文具店で働いた」と振り返る。

 最愛の康忠さんは74歳で他界。今は子ども10人、孫32人、ひ孫10人に囲まれている。昨年から「グループホームわくがわ」に入所し、職員や入所者からは一目置かれる存在だ。「何でも食べるが、タコはなぜだか合わない」と話す。

 湧川区で行われていた「花・盆栽・総合展示会」にホームの入所者9人と見学に訪れた。「花は上等に咲いていた。湧川の豊年祭のスネー(道じゅねー)を見たことがある。獅子も見て感激した。でも小学生の時だから、今年は踊りを見てみたいな」と目を細める。

 テントの中で話をしている間、同ホームの介護福祉士・嘉陽亮馬さん(39)の手を握ったまま。即売の野菜を品定めするため、嘉陽さんが席を離れると、すかさず「わぬ ぱんなぎらんきーよー(私を置いて行かないでよ)」と冗談を飛ばし、訪れた人らを笑いの渦に包んだ。

 「歌も好きだし、人も大好き。人が集まっているにぎやかさが一番好きだよ。何でも好きが長生きの秘訣(ひけつ)よ」と献穀田の2番を披露した。(玉城学通信員)