NYでの空手セミナーにバージニア州から参加した上地流のネストア・フォルタ先生は「沖縄の空手先生は意識的に争いを避け、情け深く理解力があり、強い精神と身体を携えている」と、その信念に感銘した。フォルタ先生は空手修業と人格形成の比例性や精神修養を重要視した。

沖縄空手のセミナーの参加者ら=ニューヨーク州ニュー・パレッツ市高校体育館

 主催者のデニス・フィンクさんはNY警察定年者で一心流空手の先生。多くの州から徹夜運転で参加した流派の違う同志たちに乾杯した。「沖縄の先生方の鍛錬された体格と空手道一筋の生涯」に深く感銘を受け「沖縄伝統空手の神髄は謙虚な態度で彼らの指導から読み取れた」と話した。

 2日目はNYC日本協会。園子(喜久里)ナィスワンダーさんは見学者で参加。久米島出身で、NYCで登録看護師として働く。NY沖縄県人会の重役も長年務める。空手デモとトークショーの後「子どものころ、村芝居で島のおじいの空手を見た覚えがある。県人会の新春会で空手を見て魅力を感じた。空手歴史の一端を知り沖縄とのつながりを実感。流派構わず型はすごい。沖縄空手が西洋化されないように県庁で方策を取ってほしい。空手は沖縄の県技にするとそれなりの条件と規制が必要になると思う」と意見した。

 剛柔流のデイビドゥ・エソヤンさんは「4流派のセミナー課題が共通の型・セーサンの類似点と相違が比較できるという点に注目した。沖縄の先生たちは各流派の特徴を型の技で説明したのが印象的。セミナーは貴重な体験で新しい洞察を得た」と述べた。

 マゥーリー・レビッツ先生(一心流)は、ニューヨーク州ニュー・パレッツ市高校体育館で、セミナー最終日に沖縄の先生方を歓迎。来賓としてレビッツ先生の恩師や市の有志、観光事業関係者、新聞記者も招待された。市で多数の来賓を迎えたのは記録的。レベッツ先生の弟子たちのサポートでイベントは大規模となった。

 受講者200人。159人は一心流。後は剛柔系と上地流。「少林」松林系は3日間で1人。これには私も絶句した。受講者は子どもや大人、白から黒帯まで50人一組。少林流と一心流のセイサンは級段階で習い、剛柔流と上地流のセーサンは有段者が対象。もちろん、技には大差がある。受講者の程度を無視して教えようとすると無理が生じるのは当然で、上地流の高良一也先生は「1けたのたし算の基礎も知らずに割り算を習うのと類似する」と話した。

 剛柔流の喜久川先生のグループでは、高段者対象の複雑な連鎖技の多いセーサンの分解説明は妥協がない。子どもたちや級段階での受講生たちは面食らっていた。通訳しながら私はわざと前後に往復し受講者らの反応を観察した。彼らの動きで先生は剛と柔を判断する。途中で先生は沖縄道場での体験を話し、受講者たちの笑いも誘った。

 先生方は自然体で妥協せず、なお柔軟性のある応用を利かせた指導者たちである。国内外で4流派一斉でのセミナーは初めて。沖縄の先生方は「今後の課題」だと述べた。流派による参加者の大差について、私は県側または各流派で真剣に「外国での宣伝法とセミナー課題」を具体的に考慮してほしいと願う。(てい子与那覇トゥーシー通信員)