「均等法第1世代」のおよそ8割が勤めていた会社を退職していたことが、共同通信の調査で明らかになった。

 雇用の全ステージにおける平等をうたった男女雇用機会均等法施行から4月で30年。働き続けるための環境整備は、いまだ法に追い付いていない。   

 均等法が施行された1986年に採用された大手企業28社、1003人の女性総合職(50代前半)のデータを分析した。その結果、昨年10月時点での在籍者は212人、採用者の21%だった。

 均等法は採用や配置、昇進、定年など雇用管理全般で性別を理由にした差別的取り扱いを禁止している。

 法施行によって、それまでの男女別雇用管理が、主要業務を担う総合職と補助的な仕事をする一般職のコース別雇用管理に変わっていった。さまざまなキャリアを積み、将来の幹部候補になる総合職の道が女性にも開かれたのである。

 働く意欲と夢を持って入社した第1世代の女性たちだったが、長時間労働の慣行や、育児支援の遅れ、女性に偏る家事負担などが、仕事を続ける上で厚い壁となり立ちはだかった。 

 「男並み」に働くことを求められる一方、男性の育児・家事参加が進まず両立に悩まされたのだ。

 それにしても2割は少ない。経営者の理解と働き方の工夫で続けられた人も多かっただろうに、貴重な能力が生かされなかったのは企業にとっても、社会にとっても大きな損失である。

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 調査では、その後の世代の女性総合職の動向も聞いている。

 驚くのは、改正法が施行され採用差別禁止が企業の義務になった99年採用(40歳前後)でも74%が退職し、転勤経験などで昇進に差をつける間接差別が禁じられた2007年採用(30代前半)の42%も、すでに職場を離れていることである。

 均等法の規制が強化され、育児に関する法整備も進んだのに、退職率は依然として高い。

 育休が取りにくい雰囲気など職場に残る差別的慣行や、女性の2割が経験しているマタニティーハラスメント、子どもを保育所に預けたくても空きがない待機児童の問題など、女性たちの足元には力を発揮しにくい状況が広がっている。

 必要なのは働く女性の割合が出産・子育て期の30代で落ち込む「M字カーブ」を解消する具体的施策である。

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 「20年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にする」との目標を掲げ女性政策の旗を振ってきた安倍政権だが、ここへきて取り組みが失速している。

 来年度からの第4次男女共同参画基本計画に盛り込まれた各分野の女性登用目標は民間企業の課長が15%など、いずれも30%を下回っている。

 女性が輝く社会の実現に女性登用は不可欠である。「管理職になる人材が育っていない」はやる気のない言い訳にしか聞こえない。

 改革のスピードこそ上げるべきだ。