外来機の「暫定配備」が続けば、「常駐」と同じではないか。

 米軍嘉手納基地に米アラスカ州から14機の最新鋭ステルス戦闘機F22が飛来、暫定配備された。周辺自治体に何の連絡もないままである。米軍機が一方的に飛来して基地周辺に爆音をまき散らす。基地負担の増大であり、とても容認できない。

 沖縄周辺で2月いっぱいの約1カ月間、訓練するという。F16戦闘機12機も飛来する。合わせて計26機に上る見通しだ。F22の暫定配備は2014年1月以来だが、F16を含めると、これまでにない規模である。

 周辺に住宅が広がる嘉手納基地の爆音禍に対し、第3次の訴訟が起こされていることからも分かるように、嘉手納基地は現状でさえ、住民に耐え難い苦痛を与えている。

 F22とF16の暫定配備が爆音や排ガスによる悪臭などに拍車をかけるのは間違いない。

 昨年10月~今年1月にオクラホマ州軍のF16戦闘機12機が暫定配備され、深夜・早朝の騒音が急増したことを嘉手納町がまとめている。

 町内の3地区で、訓練を開始した昨年10月26日前後の各4週間の騒音発生回数を比較。日米騒音防止協定で認められていない深夜・早朝(午後10時から午前6時)の発生件数が最大1・5~5倍に上った。外来機の影響であることは明らかだ。

 米国は国土が広大なこともあり、一般的に基地は人口密度の低い場所に置かれている。住宅地の上を低空飛行することも規制されている。普天間飛行場や嘉手納基地のあり方とは違うのである。

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 嘉手納基地には昨年、オクラホマ州を含め、米州軍の12機のF16が3回にわたって暫定配備された。昨年1~4月にウィスコンシン州軍、6~7月にバーモント州軍である。今月上旬にオクラホマ州軍のF16が帰ったばかりだったのに、今度はF22である。

 日米両政府は10年、負担軽減策として嘉手納基地のF15戦闘機の訓練の一部をグアムなど県外・国外に移転することを決めたが、その間を縫うように外来機の暫定配備が続いている。これでは負担軽減とは名ばかりである。

 暫定配備とは別に、嘉手納基地や普天間飛行場へは外来機の一時的な飛来も頻繁だ。常駐機に加え、岩国基地(山口県)の垂直離着陸攻撃機ハリアーや艦載機のFA18戦闘攻撃機などが、激しい爆音を発生させている。

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 F22は米軍横田基地(東京都福生市など)を経由して嘉手納基地に飛来している。米側から日本側に事前連絡はなく、防衛省が問い合わせて分かった。

 嘉手納基地への暫定配備について中谷元・防衛相が「米側からそのような説明は受けていない」と人ごとのように話したのも理解できない。

 安倍晋三首相は22日の施政方針演説で「沖縄の基地負担の軽減に全力で取り組む」と表明した。その言葉にうそがないのであれば、米側に対し、F22の暫定配備の中止を求めるべきだ。