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「お父さんはもういないんだ…」 1月に急逝した彫刻家、未完成の遺作に妻は涙

2018年4月4日 12:27

 肺炎のため1月に65歳で亡くなった南城市玉城糸数の彫刻家・大城清久さんは、開催中の第70回沖展に沖展会員に昇格してから初の出展を予定していた。妻の照美さん(60)の元には未完成の遺作が残されている。照美さんは「作品は本人が生きた証し。いつまでも覚えておきたい」と大切に保管している。(南部報道部・知念豊)

照美さんの待ち受け画面に写る大城清久さんと遺作「アイアンマン」(大城照美さん提供)

「いつか作品を多くの人に見てもらいたい」と話す大城照美さん=3日、南城市玉城糸数の自宅

照美さんの待ち受け画面に写る大城清久さんと遺作「アイアンマン」(大城照美さん提供) 「いつか作品を多くの人に見てもらいたい」と話す大城照美さん=3日、南城市玉城糸数の自宅

 大城さんはステンレスや鉄を使用し、主に動物をモチーフにした作品を制作し、2016~17年の沖展で準会員賞を連続受賞し、沖展会員になった。

 今年の沖展に向けて昨年10月から、元ボディービルダーで映画俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーさんをモデルした高さ約2メートルの男性像「アイアンマン」の制作に取り掛かった。

 大城さんは頭にタオルを巻き、たばこをくゆらせながら作品と向き合うスタイルで、作業がひと息つくと、泡盛片手に作品を眺めるのが好きだったという。

 筋肉の付き方の参考にしようと、照美さんが買ったボディービルの専門誌をぼろぼろになるまで読み込み、試作品を作らなくても忠実に再現するほどの腕だった。作業にのめり込むあまり、午前0時を過ぎて作業場から帰宅することも多かったという。

 制作が中盤に差し掛かった1月下旬、インフルエンザに感染し、自宅で養生していたが容体が急変。救急車で病院に運ばれたが、そのまま帰らぬ人となった。

 開催中の沖展では物故会員として3年前に奨励賞を受賞したサルの作品が展示されている。鑑賞した照美さんは「お父さんはもういないんだ…。サルも寂しそうだった」と涙を流した。

 照美さんの携帯電話の待ち受け画面には、大城さんと作品が一緒に写っている。「大切に保管して、いつか多くの人に見てもらえたら」と話した。

沖展開催70周年を記念して、ウェブサイトを公開。これまでに開催された展覧会の図録を閲覧いただけるよう、デジタルアーカイブとして公開します。 >>「沖展オフィシャルサイト」

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