沖縄県内で深刻化する子どもの貧困に対応するため、県が2016年度に基金を創設する方針であることが27日、分かった。市町村の取り組みを支援することによって、困難を抱える子を全県的に救済することが主な目的。県単独で30億円規模、期間は6年間の案があり、枠組みや具体的な使途、総額を含めて県内部で最終調整している。子どもの貧困対策の基金を都道府県レベルで設置するのは極めて異例。(社会部・溝井洋輔、政経部・吉田央)

 県は、15年度中に子どもの貧困対策推進計画をまとめる方針。貧困状態で暮らす子どもの割合や生活や成長に及ぼす影響などを調べた初の県調査の中間報告が29日に発表される。県民所得が低いことや、ひとり親世帯の割合が全国平均の2倍に上るなど既存データを踏まえると、厳しい調査結果となることが予想されている。

 県計画の実行と並行して、基金を活用した具体的な施策展開が16年度から本格化する。

 翁長雄志知事は1月4日の年頭あいさつで「特に子どもの貧困への対応は性根を据えて力を尽くしていきたい」と述べていた。翁長知事の就任から2度目の当初予算編成の目玉に位置づけられる。

 県費の基金を使って県が重点施策を展開するのは、14年度の待機児童解消(30億円)、本島北部や離島・へき地の医師確保対策(20億円)などのケースがある。

 子どもの貧困対策をめぐっては、内閣府が2016年度の沖縄関係予算で「子どもの貧困対策事業」に10億円を計上。地域に出向いて貧困の現状を把握して関係機関につなげる支援員の配置や、食事提供や学習支援を担う「居場所」の運営支援を打ち出している。那覇市や浦添市、南城市などで支援員確保を年度初めから予算化する方針だ。

 また、子どもの貧困対策を進める基金は14年11月の知事選期間中、候補者の仲井真弘多氏(前知事)が創設を掲げていた。