幼稚園に入る前日、ベランダで足をぶらぶらさせながら考えていたことがあります。「どうせ友達なんてできないよ」。暗い…暗すぎる、小さい頃の私! 大人になっても物事を悪い方に考えるクセは直らず、車の免許を取れば「歴史的建造物にぶつけてニュースになるかも」と悩み、転職のために上京すれば「意地悪な先輩にいじめられるはず」とおびえていました。

イラスト:具志堅恵

 そんな自分が嫌で、ポジティブ思考の本を読みあさった時期もありましたが、さまざまな考えの人と出会うなかで、「すべてに前向きである必要はない。私なりにこの思考パターンとうまく付き合っていけばいいんだ」と思えるようになりました。今回は、後ろ向きも悪くないなと思う理由ベスト3(私調べ)をご紹介します。

 第1位は「クッション効果」。私は何かを始める前には常に最悪の結果を予想します。そうすることで、実際にトラブルが起きた場合でも「大変だけど、想像していたより良い」と穏やかに受け止めることができるからです。後ろ向きな考えがクッションのように現実の衝撃を和らげてくれるので、難しい仕事に挑戦する時などにおすすめです。

 第2位は「バネ効果」。ジャンプする時、グッと沈み込んだ方が高く飛べることってありませんか。それと同じで、マイナス思考もうまく使えば大きな力になります。怖い、悔しいなど、負の感情には良くも悪くもパワーがあります。それを、負けない、次こそ頑張る!というエネルギーに変えるのです。すると、想像以上に大きな力が出せることがあります。

 第3位は「お守り効果」。失敗するかもしれないと思っていると、それを防ぐためにしっかり準備するようになります。最初は恐怖心から始めたことだとしても、習慣になると「あれだけ準備したんだから大丈夫」と、落ち着いて本番に臨めるようになるから不思議です。

 いまだにポジティブ思考への憧れはありますが、理想にしばられて、性格矯正ギプスを付けるような考え方はやめました(体に悪そうだし)。前向きでも後ろ向きでもOK! 大切なのは自分の考え方のクセと上手に付き合うことです。私ってなんでこんな性格なんだろう…と思ったら、自分流の「〇〇でも悪くないと思う理由」を探してみませんか。(コミュニケーションスタイリスト)