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  • 野球で沖縄県外の高校に進学する生徒が増え、現在の高1生で44人
  • 身体能力の高い選手が多く、複数の県外私学が特待生で招いている
  • 県内関係者は「特に好投手が流出している」と競技力低下を危ぶむ

 野球で沖縄県外の高校に進学する生徒が増えている。県中学体育連盟野球専門部が初めて実態調査し、県外に出てプレーする現在の高校1年生は44人いることが分かった。強肩や瞬発力など「身体能力が高い」と言われる沖縄の選手に複数の県外私学が注目し、特待生などでとっている。一方で、県内の高校野球関係者からは「優秀な選手が出ており、沖縄の競技力低下につながる」と危惧する声も上がる。(運動部・大門雅子)

2015年高校硬式野球部 1チーム当たりの平均部員数(日本高校野球連盟調査 2015年5月末現在)

開会式で行進する高校球児たち=2015年6月、沖縄セルラースタジアム那覇

2015年高校硬式野球部 1チーム当たりの平均部員数(日本高校野球連盟調査 2015年5月末現在) 開会式で行進する高校球児たち=2015年6月、沖縄セルラースタジアム那覇

 県中体連専門部が軟式の部活動と硬式チームに所属した生徒の県外進学数を調べ、昨年11月にまとめた。

 また日本高校野球連盟の調査では、2015年夏の甲子園の地方大会(沖縄大会を除く)でベンチ入りした沖縄の中学出身者は46人いた。13年の30人、14年の33人から増え、九州では福岡(198人)に次いで多い。15年沖縄大会でベンチ入りした他府県の中学出身者は14人で、「流出」県であることが明らかになった。

 沖縄の高野連加盟校1チーム当たりの平均部員数は52・4人で全国トップ。少子化で部員数が減る都道府県も多い中、野球熱が高く、優秀な選手が多いことが注目されている。高知中央高の角田篤敏スポーツコース運動部長は「沖縄は小中学校での指導者が熱心で、きちんと基礎が身に付いている」と高く評価する。

 嘉手納高で地元の選手を育て、10年選抜大会に出た眞玉橋元博・美来工科高監督は「県外進学がブームになっている。特に好投手が出ており、沖縄にとって損失だ」と危機感を募らせる。

 一方、選手たちの意識の変化を指摘する声もある。県中体連専門部長の知念正成・玉城中教諭は「08年の沖尚の選抜優勝、10年の興南の甲子園春夏連覇で、子どもたちに自信がついた。県外で勝負したいという意識が高まっているのではないか」とみている。