東日本大震災から5年がたつのを前に「防災・地震フォーラムin那覇」が27日、那覇市のパレット市民劇場であった。研究者からは今後30年間、沖縄で大規模地震が発生する可能性が30%前後に上るとの指摘が上がり、行政職員や被災地でのボランティア経験者らが、県民の危機意識を高めるための対策について意見を出し合った。時事通信社の主催で、142人が聞き入った。

地震の備えで意見を交わす(左から)コーディネーターで時事通信社解説委員の中川和之さんとパネラーの中村衛さん、山田光さん、金城竜人さん、下地正樹さん=那覇市・パレット市民劇場

 地震防災に詳しい琉球大理学部教授の中村衛さんは講演で、30年間に震度6以上の揺れに見舞われる可能性が那覇市内では20%から38%あり、沖縄は全国的にも高いと説明。南西諸島の東方にある琉球海溝付近で、活断層のすべりが通常より遅い「ゆっくり地震」が活発とし、「プレートのひずみが解放されているという安全情報なのか、巨大な揺れが起きるかもしれない危険情報なのかよく分からない」と、さらなる研究の必要性を指摘した。

 パネルディスカッションでは、宮古島市在住のイラストレーター山田光さんが、阪神大震災時に被災者支援に取り組んだ経験から「避難所となった学校は段差も多く、炊き出しやトイレに行けないお年寄りもいた」と強調。避難所にさえ入れない弱者の存在にも、思いをめぐらせるべきだと訴えた。離島県のリスクにも触れ、「津波で海岸線沿いがすべて被災した場合、島外からの救援が来ないかもしれないという想定もまだまだだ」と話した。

 那覇市市民防災室長の金城竜人さんは、緊急的な避難施設や非常用食糧の確保など、市の防災対策を報告し「県内では約250年、被害が甚大な地震は起きていないが、市民が災害に対してもっと意識を高められるよう努力したい」と決意。

 県損害保険代理業協会副会長の下地正樹さんは、沖縄は火災保険に地震保険を付帯している割合(2014年度)が51・5%で全国平均より7・8ポイント低いとし「住宅ローンを抱えている人などはいざ大地震が起きると、経済的に生活が立ちゆかなくなる恐れがある。備えの一つとして、地震保険への加入もぜひ考えてほしい」と呼び掛けた。