生まれつき目の見えない那覇市真地の上江洲星奈さん(11)と、母親の咲希さん(30)に宛てた匿名の手紙や現金3万円がこのほど沖縄タイムス社に届き、27日までに2人の手に渡った。「シルバーマン」を名乗る謎の人物からの突然の便りと「お年玉」。2人は驚きつつ、「これを励みに、今後も家族で支え合って頑張りたい」と感謝している。(社会部・島袋晋作)

「シルバーマン」と名乗る人物から上江洲咲希さん、星奈さんに届いた手紙

思いもよらない手紙や「お年玉」を喜ぶ(後列左から)上江洲咲希さんと長女・星奈さん、(手前左から)長男・瀧心君、三女・莉帆奈さん、次女・萌奈さん=那覇市真地の自宅で

「シルバーマン」と名乗る人物から上江洲咲希さん、星奈さんに届いた手紙 思いもよらない手紙や「お年玉」を喜ぶ(後列左から)上江洲咲希さんと長女・星奈さん、(手前左から)長男・瀧心君、三女・莉帆奈さん、次女・萌奈さん=那覇市真地の自宅で

 咲希さんは2012年、盲学校で点字を習う星奈さんに刺激を受け、泊高校通信制課程に入学。同年11月の「全国高等学校定時制通信制生徒生活体験発表大会」で、子育てやパートをしながら学業に励む日々を発表し、最高賞を受賞した。

 「シルバーマン」は、受賞を喜ぶ2人を紹介した当時の本紙記事の切り抜きも同封。手紙には「終活のため身辺の整理をしていたら、本紙記事のスクラップがありました」「彼女らファミリーにお年玉を渡していただければ」とつづられていた。

 咲希さんによると、記事が掲載された直後も、那覇市内の女性や「独居老人」を名乗る匿名の人物から激励の手紙や現金が届き、今も大切に保管している。

 あれから3年余りがたっているため、咲希さんは「受賞は過去の話だし」とふたたび新聞に載ることを、最初はためらった。だが、星奈さんの「新聞でお礼が言えるんじゃない」との一言で、取材に応じて感謝を伝えようと考え直した。

 高校を卒業し、昨年春から大学に進学したが、前期を終えたところで中退した。「毎日の授業やリポート提出に追われ、子育てやパートと両立できなくなってしまった」

 だが、大学を出て教育・福祉の世界で働く夢は今も諦めておらず、日々、家事の合間に問題集と向き合っている。「子どもたちがこれから大きくなって、進路などで悩んだとき、一番の理解者になりたい。そのためにも夢を語るだけでなく、成し遂げたい」

 上江洲さん一家は両親と子ども4人の6人家族。隣で咲希さんの話に聞き入る星奈さんは大人びた口ぶりで「私はアナウンサーになりたい。星奈もお母さんも頑張るので、シルバーマンさんもお仕事頑張って」とメッセージを託した。