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社説[オスプレイ横田配備]安全への懸念置き去り

2018年4月5日 08:00

 米空軍のCV22オスプレイ5機が、きのう横浜の米軍施設に陸揚げされた。在日米軍は予定を1年以上早め、今夏にも東京の横田基地に正式配備する。

 県内で訓練を実施することが明らかになっているオスプレイだ。名護市安部の海岸に墜落、大破した海兵隊のMV22オスプレイより事故率の高い空軍仕様機の前倒し配備は、住民の懸念を置き去りにしている。

 県内では2012年秋以降、普天間飛行場に海兵隊仕様のMV22が24機、強行配備された。CV22は今後数年間で横田基地に計10機が配置される予定という。

 輸送を主な任務とするMV22に対し、CV22は地形を追随する装置や電子妨害機能などが付いた特殊作戦用である。敵地にひそかに人員を送り込んでの偵察や、紛争地での人質救出などを主な任務としている。

 昨年9月時点で、MV22の事故率は3・24と過去最悪を記録。CV22はそれをさらに上回る4・05である。危険な低空飛行や夜間飛行などの任務が事故率に表れているとみられる。

 CV22は県内で離着陸訓練や空対地射撃訓練のほか、夜間飛行など過酷な条件下での訓練を計画していることが既に明らかになっている。伊江島補助飛行場やキャンプ・ハンセン、高江のヘリパッドなどが使われる可能性が高い。

 米軍機の事故やトラブルが相次ぐ中、海兵隊だけでなく空軍のオスプレイまで沖縄の空を飛び回れば、基地負担は間違いなく増大する。

■    ■

 CV22の横田配備が決まる前、米側は嘉手納基地への配備を検討していた。新基地建設を巡って日本政府と県との対立が深まっているときで、沖縄の反発が予想されたことから断念した経緯がある。

 だが横田に配備されても、嘉手納基地が訓練拠点として使用されるのは確実だ。空軍の特殊作戦部隊が嘉手納に常駐しているからである。

 1996年の日米特別行動委員会(SACO)合意時にオスプレイの普天間配備が話し合われたにもかかわらず、日本政府は知らぬ存ぜぬの一点張りだった。オスプレイ配備という重要情報は、辺野古の環境影響評価(アセスメント)の最終段階になって「後出し」されたのである。

 自衛隊もオスプレイ導入を決めており、近い将来、沖縄でオスプレイの日米共同訓練が実施されるのではないか。SACO合意の目的だった負担軽減に逆行する動きだ。

■    ■

 嘉手納町、沖縄市、北谷町でつくる三市町連絡協議会は、CV22の訓練拠点が嘉手納基地とならないよう警戒を強めている。外来機の飛来が相次ぐ嘉手納では騒音苦情が急増。住民生活への影響を無視したこれ以上の訓練激化を認めるわけにはいかない。

 横田に配備されるCV22の訓練区域は10都県80市町村に及ぶ。基地周辺には沖縄同様、住宅や商業地も広がる。

 住民の命と生活に関わる問題である。どこでどのような訓練をするのか、配備目的や今後の計画を関係自治体に早急に明らかにすべきだ。

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