南西石油(西原町)が石油製品の販売事業を撤退する3月末以降、バイオエタノールを3%混合したガソリン「E3」が供給できる見通しのついていないことが28日、分かった。現在、県内でE3を販売するのは南西石油のみ。沖縄をバイオ燃料の先進モデルにしようと、2011年度から環境省が取り組む関連事業の存続も危ぶまれている。

島尻沖縄担当相(右)と会談する翁長雄志知事=28日午後、内閣府(代表撮影)

 E3は沖縄産サトウキビの廃糖蜜由来のバイオエタノールを3%、ガソリンに混合してつくるもの。レギュラーガソリンのように普通車に給油できる一方、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)の排出削減対策に有効で、環境省が普及を目指している。

 環境省は沖縄で11年度に実証実験をスタート、15年度には約10億8千万円の事業費を計上した。16年度も約9億9千万円を予算要求しているが、E3供給の見通しがつかないため事業の継続が不透明な状況だ。

 環境省の担当者は「次年度に向けた準備は淡々と進めているが事務手続き上、本年度内に方針を固める必要がある」と説明。事業を受託する日伯エタノールの担当者は「事態を注視している。ただ、県民の皆さまの理解を頂きながらE3は普及しつつある。この勢いを大事にしたい」と話した。

 環境省によると、E3を販売する県内の給油所は14年度で59カ所ある。E3のみを取り扱う給油所を経営する企業の関係者は「環境面に配慮してE3を扱った。もし無くなってもレギュラーガソリンを仕入れるので経営上の損害はほぼないが、先が見えないのは困る」と戸惑う声もあった。

■安定供給「国の責務で」 翁長知事が島尻沖縄相らに要請

 【東京】翁長雄志知事は28日、内閣府に島尻安伊子沖縄担当相を訪ね、南西石油(西原町)が3月末に石油製品の販売事業から撤退するのを前に、県内での石油製品の安定供給に向けた対策や従業員の雇用安定に十分に配慮するよう要請した。

 翁長知事は「国の責務として、安定供給を確保するとともに、石油製品価格の急激な高騰などで県民生活や経済活動に影響が及ばないよう対策を講じてほしい」と求めた。

 島尻氏は「ライフラインとして重要。経産省と連携していきたい。雇用についても県や西原町、内閣府で対応できるようにやっていきたい」と協力する考えを示した。

 翁長知事は、経済産業省・資源エネルギー庁の日下部聡長官にも同様に要請。翁長知事によると、日下部長官は、県の要請に理解を示し、親会社のペトロブラス社に事業継承に向けた指導などをする意向を示したという。