国の交付金を使い、沖縄県内41市町村と県が本年度発行した「プレミアム商品券」は一部離島を除いてほぼ完売し、消費喚起に一定の効果があった。一方、沖縄タイムスの市町村などへの聞き取りでは、恩恵が大型店舗に偏ったとの指摘や、各自治体の事情を考慮しない一律の経済対策への疑問も浮かぶ。識者には「大型選挙を意識した、政権のばらまきと疑われても仕方がない」との見方もある。

プレミアム商品券を買おうと長蛇の列をつくる浦添市民=2015年8月16日午前9時ごろ、浦添市てだこホール周辺

 交付額は県に20億円余、41市町村に約26億8500万円。各地で20~40%の割り増しがある商品券や、一部で子育て世帯や高齢者などに限定した商品券も発行された。プレミアム率40%の浦添市では、販売会場に2500人以上が殺到。一方で人口や使用店舗が少ない渡名喜は約半分、粟国は1割以上売れ残った。

 多くは昨年末で使用期間が終わった。豊見城市の47歳女性は、家族3人で上限いっぱい購入し「食卓の肉のランクを上げた」。宜野湾市の20代男性も「洗濯機を買いコインランドリー生活から卒業した」と喜んだ。半面、那覇市の77歳男性は「年金生活者にはありがたいが、いつものスーパーでいつもの食料を買っただけ」と景気の底上げ効果には懐疑的。西原町の50代男性は「税金の無駄遣い。教育や福祉など、有効に使うべきだ」と投げ掛けた。

 一方、久米島町の事業所向けアンケートでは、8割以上が継続を要望。「大半が大企業で使われたと予想され、小規模店舗の宣伝方法など課題は多い」(うるま市)との声もあった。

 不慣れな金券発行に戸惑った自治体も多い。那覇市は「店舗や銀行との調整などが大変だった」、換金業務などに約4700万円の経費がかかった沖縄市は「市の持ち出しがない交付金だったからできた」。希望者から「買えなかった」との苦情が30件以上あった中部の自治体は「不公平感を生む事業は、やめた方がいい」と嘆き節だった。

 地方財政に詳しい琉球大の獺口(おそぐち)浩一教授は、「全国一律での経済対策は、事情の違う地域の課題に細かく対応できない。公金の使い道として必要性は低く、夏の参院選などに向けた対策と勘ぐられても仕方がない」と指摘した。