29・9%。

 沖縄の子どもの貧困率である。

 先進国の中でも高いとされる日本全体の子どもの貧困率16・3%を、2倍近く上回る極めて厳しい数字だ。

 自ら訴えることの難しい子どもの貧困は見えにくいといわれるが、「給食費を滞納し、電気やガスが止められ、日々の食事にも事欠く」-親子の現実が私たちのすぐ隣にある。

 4月から5カ年計画でスタートする県子どもの貧困対策推進計画に反映させようと、県が実施した子どもの貧困率推計で明らかになった。

 18歳未満のおよそ3人に1人が貧困の中で暮らしているという結果で、ひとり親世帯では58・9%とさらに深刻だった。

 全国一低い県民所得や全国一高い失業率、共働きでも賃金水準の低い非正規雇用の多さ、女性が大黒柱となる母子世帯割合の高さなどが貧困率を押し上げている。

 「給食が唯一の栄養源」といった子どもの貧困を報じる記事に「にわかに信じられない」という反応が少なからずある。

 だが同時に実施された「沖縄子ども調査」で、貧困状態にある家庭の約半数が経済的な理由で食料を買えないことが「あった」と答えている。電気、ガス、水道を止められた経験も2割近くに上った。

 豊かな日本でありえないという思い込みと、個人の問題に押し込める自己責任論が、貧困を見えにくくし、助けを求めにくくしている。

■    ■

 調査から、早急に必要な施策がいくつか見える。

 経済的に苦しい家庭に学用品代や給食費、修学旅行費などを補助する就学援助制度を貧困層の半数が利用しておらず、制度から漏れている実態が浮かび上がったのだ。

 「就学援助を知らなかった」という保護者が2割もいたのは、周知のあり方に課題を残す。苦しいからこそ使ってほしい制度であり、学校や自治体には、積極的かつ丁寧に知らせる責務がある。

 就学援助では「周囲の目が気になって申請しなかった」という保護者が1割近くいたことも引っ掛かる。援助を受けるのは不名誉なことと思い込み、利用をためらっているのではないか。

 払えるのに払わないといったモラルが問題にされた給食費未納問題などが尾を引いているのだろう。生活保護バッシングによって、本当に困っている人の声がかき消されてしまった問題と根っこは一緒だ。

■    ■

 県が独自に実施した今回の調査は、子どもの貧困を社会全体の問題として取り上げ、光を当てた点に大きな意義がある。深刻ではあるが、その重要性に向き合うスタートとすべきだ。

 貧困率にとどまらず、全国一低い大学進学率、全国一高い若年無業者率など、子どもの成長に関係する課題は山積している。

 県に「子どもの貧困対策課」を立ち上げるなど体制づくりでも強い意志を示し、これまでにない大胆な発想で推進計画を練り上げてもらいたい。