【池間島=宮古島】経済的な理由で子どもたちが進学を諦めることがないようにと、地域活性化に力を入れるNPO法人「いけま福祉支援センター」(前泊博美理事長)が返済不要の「池間すでぃがふぅ奨学金」を創設し、3月30日、受給者第1号の與那原愛理さん(18)に30万円を贈った。那覇市の動物訓練専門学校に進学し、犬や猫の保護活動に携わるのが目標の與那原さんは「温かい気持ちをもらい感謝している。夢をかなえて帰ってきます」と気合を入れた。贈呈式には多くの高齢者が集まった。

與那原愛理さん(前列左から2人目)と祖母のサヨさん(同3人目)に奨学金を贈った前泊博美理事長(同右端)=3月30日、宮古島市平良池間

 同センターは2014年から毎年、島の自然や歴史、文化を題材にカレンダーを発刊している。5年間で302万円の売上金がたまったことから、島おこし担当の三輪大介さん(47)の考案で、宮古言葉で感謝の意味を表す「すでぃがふぅ」の名称を付けた奨学金を創設した。

 第1回には3人が応募。審査の結果、幼い頃に母親を亡くし、天ぷら店を営む祖父母に育てられた與那原さんの「できない理由を掲げて最初から諦めることなく、ひたむきに挑戦する意欲」が高く評価され、第1号の受給者となった。

 贈呈式で、前泊理事長は「島の人皆があなたを応援している。いつの日か島を支える一員になってほしい」と期待した。祖母のサヨさん(83)と共に目録を受け取った與那原さんは目に涙を浮かべながら「小さい頃から育ててくれたおじぃ、おばぁに本当に感謝している。2年間も離れるのは寂しいけれど、帰ってくるまで元気でいてね」と声を掛けた。サヨさんは「奨学金の対象になったと聞いたときはうれしくて泣いた。私の孫がこんな素晴らしい賞を頂けるのは夢みたい」と喜んだ。

 池間島は人口585人(3月末現在)で、人口の減少と高齢化が続いている。住民のつながりは強く、贈呈式に集まった高齢者を代表し、あいさつに立った勝連昭子さん(89)は「池間島のために一生懸命最後まで頑張ってください」と激励した。ハンカチで目頭を押さえながら別れを惜しむ高齢者を前に、與那原さんは「夢をかなえてきます」と力強く宣言した。