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  • 南西地域の防衛強化で航空自衛隊の第9航空団が31日に発足する
  • 福岡・築城基地から約20機のF15が那覇空港に移駐。過密化に懸念が
  • 発着数や緊急発進が増加傾向で、1本の滑走路でぎりぎりの運用に

 南西地域の防衛体制の強化に向けて、航空自衛隊那覇基地のF15戦闘機を2飛行隊化し、約40機で組織する第9航空団が31日、発足する。約50年ぶりの航空団編成に中谷元・防衛相は「強化を目に見える形で示す」と期待をかけるが、主力のF15が倍増することで懸念されるのは、那覇空港滑走路発着の過密化や騒音の激化。民間機の発着数、自衛隊機の緊急発進数ともに増加傾向が続き、「軍民共用」1本の滑走路は、ぎりぎりの運用を迫られることになりそうだ。

那覇空港の発着数と自衛隊機の緊急発進数

緊急発進で航空自衛隊那覇基地を離陸するF15戦闘機

那覇空港の発着数と自衛隊機の緊急発進数 緊急発進で航空自衛隊那覇基地を離陸するF15戦闘機

 民間機と自衛隊機が共同使用する那覇空港の発着回数は1995年度に10万回を超え、観光客の伸びに合わせて増加が続き国際線、国内線合計で2014年度は15・5万回。自衛隊機の発着回数は公表されていないが、中国機などに対する緊急発進(スクランブル)はここ数年急増し、14年度は468回だった。

 国土交通省大阪航空局那覇空港事務所は、F15の倍増に「単純に訓練が2倍になるわけではないと聞いているが、緊急発進は最優先での滑走路利用が求められる」と話す。

 那覇空港第2滑走路の増設にあたり、沖縄総合事務局と国土交通省大阪航空局が13年に県などに提出した環境影響評価(アセスメント)の評価書では、自衛隊機の年間飛行数は30年度に2万9639回と10年度の2万4466回の1・2倍になると想定している。そのうち今回の部隊編成も踏まえたF15の飛行数は、30年度に1万4805回と10年度比1・6倍になる見通し。第2滑走路は19年度末に完成予定で、観光客と民間機利用のさらなる増加が見込まれる。

 第9航空団は、これまでの83航空隊を廃止し、築城基地(福岡県)のF15約20機を那覇に移駐して新編される。中期防衛力整備計画(11~15年度)に盛り込まれ、12年度から施設整備などを進めてきた。