ロサンゼルスを拠点に活躍する沖縄系2世のベン比嘉さんは、都会特有のカルチャーに焦点を当てて写真を撮影したり、文章を書いたりするアーバンジャーナリストだ。

ロサンゼルス郊外ガーデナでのベン比嘉さん

 カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校では当初ビジネスを専攻していたが、その後ジャーナリズムへと転向。その課程で西海岸と東海岸では特徴が異なるヒップホップ、それもロサンゼルスのヒップホップに興味を示し、延長線上でアーバンアートと出合った。

 中でも彼自身が目撃した1992年4月のロサンゼルス暴動は大きな意味を持つと語る。当時について記した文章「スモーク・アンド・ミラー」は、UCLAが発行している「アメラジア・ジャーナル」の2012年10月発行号に掲載された。

 さらに、フリーランスのジャーナリスト以外にも、ロサンゼルスの小学校に、美術のクラスのプログラムを作成し、提供する仕事にも取り組んでいる。ロサンゼルスの学校は教育予算削減を理由に、美術専任の教師が雇用されていないことが多い。比嘉さんが準備するプログラムは、担任教師やボランティアの親などが子どもに美術を教える際の大切な指針となっている。

 北米沖縄県人会でバザーをはじめとするイベントが開催される際には、フォトグラファーとして活躍し、ニュースレターやホームページに記録を残すための奉仕活動にも熱心に従事している。

 彼自身、ルーツの地の沖縄には10歳と13歳の時に2回訪れている。「親の故郷は海辺の小さな村で、人との関係性が密接なコミュニティーだという印象を持った」と振り返る。現在の活動拠点である大都会ロサンゼルスの多文化社会とは対極な様相だといえる。

 「ジャーナリストとして再び沖縄を訪ねたい。そして、さまざまな側面をカメラに収めたい」と抱負を語る比嘉さん。「夢は何ですか?」と聞くと「次世代の人々に引き継げるような作品を残すこと」と答えた。(ロサンゼルス通信員 福田恵子)