【森田のりえ通信員】北米沖縄県人会図書館にこのほど、山城正雄さん(99)から300冊近い蔵書の寄贈があった。山城さんは1年前、静江夫人とロサンゼルス市のリンカーンハイツ日系敬老看護ホームに入居。家の整理をし、千冊余りの蔵書の一部をうるま市と県人会へ寄贈した。

蔵書を寄贈した(左から)山城正雄さん、北米県人会会長の國吉信義さん、山城静江さん=ロサンゼルス市

 1916年にハワイで生まれた山城さんは8歳で母親を亡くし、祖父母の住む沖縄県具志川へ行く。趣味は読書で小学6年のときに菊池寛全集を読了するほどの文学少年だった。16歳でアメリカへ帰る。戦時中、ツーリ・レーク強制収容所の中で文芸同人誌の編集責任者を務め『鉄柵』を出す。戦後は庭師をしながら『帰米二世』『遠い対岸』の2冊を出版。当地の新聞「羅府新報」にエッセー『仔豚買いに』を40年間執筆した。

 昔、沖縄の農家では子豚を買って育て、琉球王に税金として豚肉の塩漬けを納めていた。子豚を頭に載せて売り歩いていた。「どこへ行くの?」と聞かれると「子豚買いに」と答えていた。いつしかあいさつになったのだという。それが「仔豚買い」の意味だ。最近では沖縄在住の詩人・新城兵一さんが山城さんの詩集を出す話も出ている。

 県人会会長の國吉信義さんは昨年12月29日、山城さん夫妻を訪ねた。山城さんは「読書は思考力を養います。本を大切にしてください」と話した。