「(カリフォルニアの基地に)普天間を移転するのは可能だ。しかし結局は誰かの裏庭という話になる。問題の根本はそこなんだ」

(資料写真)普天間飛行場

 先月13日。米首都ワシントンで開かれた県主催のシンポジウムで、ペリー元国防長官の口から驚くべき発言が飛び出した。

 ペリー氏は、約20分の大半を朝鮮半島情勢について論じた基調講演後の質疑応答で、在沖米海兵隊の米本土移転は可能だが、引き取り先で「自分の裏庭は駄目だ」という議論になるから難しい。沖縄だけが特別な問題を抱えているわけではないなどと答えた。

 ここには重大な事実誤認がある。クリアゾーン(利用禁止区域)のない米軍普天間飛行場は、米本土の基地と同列で語られるべきではない欠陥基地という点だ。

 クリアゾーンとは、滑走路の両端の土地の利用禁止を定めた米軍の指針だ。

 元米兵らで組織する県内の平和団体「ベテランズ・フォー・ピース・ロック(VFP-ROCK)」は先月、普天間や岩国を含む国内外の海兵隊基地15カ所のうち、クリアゾーン内に学校や住宅などの建造物があるのは普天間のみと指摘。マティス国防長官らに書簡を送付し、米国の安全基準に反する普天間の即時閉鎖を要求した。

 米国防長官として、1996年の普天間返還合意を主導したペリー氏は、そうした普天間の欠陥は十分に承知しているはずだ。

 それにもかかわらず、クリアゾーンのない普天間を他基地と同列に比較した同氏の発言は、普天間の欠陥を矮小(わいしょう)化し、基地を運用する当事者責任の欠如をも露呈した。

 シンポでは、日米の有識者らが日米安保体制の維持を前提に沖縄の米軍基地削減策を見いだそうとする議論を展開し、沖縄が論理的な代替案を提示すべきとの意見も多く出た。

 私はそうした議論に耳を傾けながら、日米両政府の非論理的な軍事戦略を押し付けられている私たち沖縄が、なぜ論理的な代替案を提示しなければならないのかと矛盾を感じていた。

 普天間移設を巡る根本的解決策がいまだに見いだせないのは、当事者たちが普天間の欠陥に目をつむり、基地を押し付けている責任を棚上げしたままだからだ。

 日米は一体いつになれば沖縄の人権を考えるのか。

 常に沖縄を軍事的観点で語る日米の非論理性を正すには、沖縄人の人権を不法に侵害している普天間は、米国の安全基準に反した欠陥基地だと広く訴えていく必要がある。(平安名純代・米国特約記者)