沖縄県の翁長雄志知事が人間ドックの再検査を理由にした入院が明らかになった6日、県庁内では週末に予定していた中国出張のキャンセルや部局長間の情報共有など県幹部が慌ただしく動いた。県は「あくまでも検査のための入院」としているが、県議会では与党が容体を気遣い、野党の自民からは「本当に額面通りの話なのか」との声も。与野党ともに目線の先には11月想定の知事選があり、既定路線とされていた知事の2期目立候補を巡る臆測が飛び交っている。(政経部・銘苅一哲、大野亨恭)

翁長雄志知事の検査入院について説明する池田竹州知事公室長=6日、県庁

▼混乱

 「知人の見舞いに来ただけですよ」

 6日午前10時ごろ、浦添市内の病院から姿を現した知事の秘書は駐車場に向かう道すがら、記者団を目にするとけむに巻こうとした。だが、知事の入院の事実を問われると車に乗り込みながら「午後にはリリースしますから」と急ぐように病院を後にした。

 県庁内では知事の状況を把握した秘書が幹部と緊急会議を開き、午前中に8日から11日まで予定していた訪中の中止を決定。午後には謝花喜一郎副知事が各部長に状況を説明、同4時に池田竹州知事公室長が会見し「入院は人間ドックの再検査のため」と発表した。

 知事本人は退院後、自ら会見するといい、県幹部は「本人が話さなければ尾ひれが付くため」と説明する。

▼懸念

 一方で県政与党関係者の間では、知事が2期目に出馬できないことへの懸念が早くも出始めている。

 知事選を秋に控える中、「オール沖縄会議」から金秀、かりゆしが離脱し、与党間の足並みがそろわないまま県民投票に突入する気配もある。与党幹部の一人は、仮に知事が不出馬を決めた場合「『オール沖縄』内での候補者選考は一筋縄にはいかない。党利党略がむき出しになる可能性すらある」と指摘する。

 別の与党関係者は「知事が無事、健康であってほしい。ただ、最悪を想定して知事選に向けた青写真を描いておく必要がある」と厳しい表情を見せた。

▼注視

 知事入院は県内保守勢力や東京でもすぐに話題となった。政府関係者が「名護市長選で負け、有力な支持者も離れた。心身共に疲れがたまっているんだろう」と容体を案じる中で、自民党内では「検査にとどまらず、重い病の可能性もある」との情報も飛び交う。

 自民県連の幹部は知事が週末にかけて金秀、かりゆしのトップと会談するとの情報があるとし「すでに後継者を選んでいるのでは」と臆測。「入院を機に一気に県内政局が慌ただしくなる可能性がある」と状況を注視している。