沖縄戦に巻き込まれた学徒隊の状況や証言を、戦跡案内板のQRコードからスマートフォンなどを使って聞く沖縄県の事業で、学徒と同年代の高校生が証言の読み上げ収録に取り組んでいる。9校から約70人が参加。31日には那覇市の琉球放送で8回目の収録があり、生徒らは「負傷兵の手足を切断する看護の手伝いなど、当時の状況を知ることができた」と悲惨な歴史の一端と向き合った。

八重山高等女学校で学徒動員された女生徒の証言を読み上げる北中城高1年の大底南々子さん=31日午後、那覇市久茂地・琉球放送の収録スタジオ

 3月の事業開始を前に、作業は大詰め。豊見城、普天間、美来工科、真和志、北中城、那覇、沖縄工業、首里、沖縄尚学の生徒が昨年11月から、原稿校正や、各校の放送部メンバーを中心にナレーションに取り組んでいる。当時の21校の学徒の記録を証言集や文献、新聞記事から集め、難しい言い回しや言葉は今の高校生が分かる表現に言い換えるなど校正した。

 案内板は、学徒隊の動きに基づき、各地の壕や解散命令が出た場所など宮古、八重山を含め約50カ所に設置される。案内板のQRコードをスマートフォンやタブレット端末で読み込むと、県のホームページにつながり、高校生が収録した音声が流れる仕組みだ。

 八重山高等女学校から学徒動員された女生徒の証言を読んだ北中城高校1年で放送部の大底南々子さん。無事にナレーションを終え、「海軍病院で手足の切断を手伝う内容だった。今は平和に暮らしているが、戦争の時にひどい状況があったことが分かった」と真剣な表情。

 同校1年の多和田真李さんは、県立水産学校の二等兵で通信隊だった男性の証言をナレーションした。「『下士官』など分からない言葉は調べた。壕の中で、蚕の棚のような大きさの場所で寝ていたことも初めて知った」と語った。