名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立て承認の取り消しをめぐり、沖縄県の審査申し出を却下した国地方係争処理委員会(係争委)の決定を不服として、翁長雄志知事は1日、石井啓一国土交通相を福岡高裁那覇支部に提訴した。知事の取り消し処分の効力を止めた国交相の執行停止は違法として、取り消しを求める。訴訟では沖縄防衛局の審査請求の適法性や、係争委の決定は違法かなども争点となる。新基地に関する国と県の裁判は3件目。

訴状の骨子

 2000年に係争委が設置されて以降、決定を不服として提訴するのは初めて。同支部は第1回口頭弁論を15日午後1時15分に開けるか県側に打診した。

 提訴後に会見した竹下勇夫弁護士は「国は行政不服審査法(行審法)を乱用している」と指摘。沖縄防衛局の立場を「私人と同様」とした国交相の判断に疑問を残しつつも「一見明白に不合理とはいえない」と判断した係争委の決定について争う姿勢をみせた。

 訴状で県側は翁長知事の取り消し処分に対し、沖縄防衛局は行審法が禁じる国の立場で不服審査請求をしていると指摘。処分の効力を止めた国交相の執行停止決定は違法な国の関与と主張している。また、係争委に対する県の審査申し出は適法であり、審査対象外として却下した係争委の決定は違法と訴えている。

 地方自治法251条は、審査結果や勧告に不服がある時は、高裁に提訴できると規定。県側は同条に基づいて係争委の審査を経ていれば提訴できるとして、提訴に踏み切った。