◆川崎に79-77〈第51戦〉
バスケットボール男子Bリーグ1部西地区首位の琉球ゴールデンキングスは8日、沖縄市体育館で行った第51戦で東地区3位の川崎ブレイブサンダースに延長の末、79-77で逆転勝ちした。通算は39勝12敗。西地区2位の京都ハンナリーズが敗れたため、地区優勝へのマジックナンバーは二つ減って「1」となった。
キングスは28-34で迎えた第3クオーター(Q)、岸本隆一が3点弾を4本沈めて52-47と逆転。最終Q残り1分23秒、粘る川崎にアリウープで勝ち越されるが、残り5秒で岸本がフリースローを3本決めて同点。67-67で臨んだ延長は、キングスが全てのシュートを成功させ、79-77で競り勝った。岸本は両チーム最多の32得点と活躍した。
次戦は14日、新潟県のシティホールプラザアオーレ長岡で中地区5位の新潟アルビレックスBBと戦い、勝つか京都が敗れれば西地区優勝が決まる。(観客数3501人)
「隆一が引っ張ってくれた」
76-77の延長残り20秒。キングスの岸本隆一が放ったシュートは、きれいな弧を描いてリングに吸い込まれた。この日7本目の3点弾でついに逆転。Bリーグ開幕後、これまで一度も勝てなかった川崎を相手に、激戦の末に初めての白星をつかみとった。
勝利の立役者となったのは、主将の岸本だ。前半は5得点にとどまったが、第2Qでブザービーターの3点弾を決め「あの1本でいいきっかけが作れた」という。第3Qも「連続で入らないと別の選択肢を考えてしまうが、積極的に行けた」と勢いは止まらず。4本全て沈めて勝ち越した。
3点ビハインドの最終Q残り5秒には、3点体勢でファウルをもらいフリースロー3本を獲得した。「手が震える」ほど緊張したが「外れても誰かが拾ってくれると思って打った」と全て決めて同点とし、延長戦に持ち込んだ。
岸本の32得点は両チーム最多。佐々宜央ヘッドコーチ(HC)は「隆一も苦しい時期があったと思う。主将として崩れず、引っ張ってくれた」と賛辞を贈る。
昨季準優勝の川崎を下し、岸本は「何が何でも勝ちたかったゲーム。純粋にうれしい」と安堵(あんど)の表情。「謙虚さを持って課題を見つめ直し、また来週戦いたい。これからキングスがどうなるか、期待してほしい」と言葉に自信をみなぎらせた。(我喜屋あかね)