沖縄空手

空手・古武道の神髄、兄弟で継承 「僕らで大きく」

2018年4月10日 21:00

【次代の肖像】金城憲さん(43)、憲太さん(33) 沖縄上地流保存会・琉球古武道保存会「久場川修武館」

 沖縄上地流保存会・琉球古武道保存会「久場川修武館」(那覇市首里久場川町)の金城憲(さとし)さん(43)=教士7段、憲太さん(33)=錬士6段=は、堪能な語学力を武器に世界中で古武道の精神を伝えている。二人とも10代から単身海外へ赴き指導してきた。結果、支部は世界5拠点に。「古武道を絶やさないためには、興味を持ってくれた人たちをどうサポートするか、受け皿を整えることが必要」と冷静に分析しつつ、次世代への継承や古武道普及に意欲を燃やす。(政経部・川野百合子)

棒とサイの約束組手の稽古をする金城憲さん(右)と憲太さん=那覇市首里・久場川市営住宅集会所(下地広也撮影)

憲さん(右)と憲太さん(左)に指導する金城政和会長

棒とサイの約束組手の稽古をする金城憲さん(右)と憲太さん=那覇市首里・久場川市営住宅集会所(下地広也撮影) 憲さん(右)と憲太さん(左)に指導する金城政和会長

 初めて道着に袖を通したのは憲さん6才、憲太さんが5才だった。憲さんは「当時は今みたいに子どもたちが通っていなくて、小さい子どもは自分一人だった」と振り返る。だが、父・政和さん(65)=古武道範士9段、上地流空手師範=の後ろ姿に憧れ、空手や古武道を始めることは二人にとって自然な流れだった。

 現在は政和さんを支える「両腕」として日々稽古指導に当たる二人。指導するのは県内にとどまらず、訪ねてくる外国人も多い。憲さんは高校2年の夏から、憲太さんは高校卒業してすぐに単身カナダやアメリカに渡り、指導した経験を持つ。当時は「英語なんて全然。でも自分で全部やらないといけないし、精神的にも強くなった」

 どう教えていいかも分からないが、自分の練習方法をそのまま伝えた。言葉の壁はあっても、武道の精神や姿勢は伝わる。その結果、現在では道場の支部はアメリカ、カナダ、オーストラリア、香港、インドにある。

 自分たちも指導するようになって「父はやっぱりすごい」と感じる。「人を育てることは簡単にはできない。責任も伴う。生半可なことではない」と憲さん。憲太さんは「憧れの先生と選手」と兄と父を尊敬している。

 今、修武館では古武道の「普及型」を試験的に作っている。空手のように入門編のような型を作ることで、より多くの人に古武道を始めてもらえるからだ。「沖縄空手会館もできて、海外の関心も高まっている。内部ももっと盛り上げて、いい受け皿として環境を整えていかないと」。憲さんは先を見据えて冷静に語る。

 憲太さんは3月に行われた第1回沖縄空手国際大会の県内予選・棒の成年1男子の部で優勝。8月は本大会の舞台に立つ。2月には長男・大智くんが誕生した。「上の世代から受け継いだことを僕らで大きくして、また次の子ども世代につないでいきたい」。世界へ、次世代へ。兄弟で手を合わせ古武道の歴史に新たな一ページを刻もうと奮闘している。

【全沖縄少年少女空手2018】輝くあなたが写っているかも!

 

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