ワンルームの部屋に新しい生活必需品が雑に置かれた写真がスマホに届いた。今春から県外の大学に進学した甥(おい)っ子の姿に、初々しさと少し頼もしくも感じた

▼進学や就職など多くの若者にとって門出の季節。県外・国外問わず、幅広い知識やスキルを学ぶ機会はだれにとってもいい経験になるだろう。ただ、ちょっと気になることがある

▼南西地域産業活性化センターの2017年人口動態の分析で、沖縄から県外への転出が、県外から沖縄への転入を上回り、9年ぶりに「転出超過」となった(本紙10日付)

▼留学や技能実習生など在留外国人は多いが、好景気を背景に進学や就職で沖縄を離れる若者も増えているという。かつて、県内志向が強いといわれてきた若者のマインドも変わったのだろうか

▼要因の特定は簡単ではないが、県外に出る抵抗がなくなったことや県外大学の定員割れによる入学環境の変化、正社員雇用が多い県外で職を求める傾向などが考えられるという。10代半ばから20代前半で転出超過が目立ち、県内に戻る割合の低下が懸念される

▼もちろん県外での活躍は大歓迎。だが、転出したまま若い人材が不足しては心もとない。若者が安心できる住・雇用環境、魅力ある地元の受け皿づくりが不可欠だろう。活力ある人材の呼び込みは官民の知恵の出しどころだ。(赤嶺由紀子)