子どもを大学や専門学校などに通わせるため沖縄振興開発金融公庫の教育資金を利用する保護者を対象にした調査で、家計に重くのしかかる教育費の実態があらためて浮かび上がった。低所得者層では負担の限界さえ見える結果である。

 利用世帯の平均年収は379万円。最も多かった「200万円以上400万円未満」世帯で、教育費は年収の5割に及んだ。その次に多かった「200万円未満」世帯では、負担割合が110%と年収を超える額になっていた。離島在住の保護者に限れば「200万円未満」世帯で負担が129%と、びっくりするような数字である。

 大学が都市部に集中しているため自宅外通学が多い↓下宿生活を送ると学費以外にひと月10万円以上の生活費がかかる↓県民所得が低いため教育費負担が重い-ということなのだろう。

 保護者の年収に上限を設ける公庫の教育資金は、より厳しい世帯の利用が多いというが、それにしても尋常ではない負担だ。

 先日、県が発表した「沖縄子ども調査」で、子どもの大学進学を望む保護者の割合が全国と比較して高いことが話題となった。調査に関わった研究者は、貧困層でも大学進学を望む割合が大きく下がらないのが沖縄の特徴と分析した。

 「教育によって貧困の連鎖を断ち切りたい」という同様の思いが、今回の教育資金調査からも読み取ることができる。 

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 教育費がこれだけ家計を圧迫している現状は、学費が捻出できず進学を諦めざるを得ないケースと表裏一体ではないか。

 高校卒業者の大学等進学率で沖縄県は全国最下位の39・8%、全国平均との間に15ポイントもの開きがあることと無関係ではない。

 おととし政府が策定した「子供の貧困対策大綱」の当初案には、大学や専門学校で返済義務のない「給付型奨学金」の創設を目指すとの文言が盛り込まれていた。最終的には財源のめどが立たないとして給付型には踏み込んでいない。

 大学等進学率が7割近い東京と、4割前後の沖縄や北海道、鳥取、長崎…。生まれた場所によって「進学格差」が生じているのは事実である。 教育費の問題を個人の問題と突き放さず、費用を誰がどのように負担するかという、大きな視点から捉え直すべきだ。 

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 来年度、沖縄県は県外大学進学者への給付型奨学金をスタートさせる。人材育成のための未来への投資として切望された施策である。 

 貧困の連鎖を断ち切るには、生まれ育った環境に関係なく、十分な教育を保障し、次代を担う人材として育てていくことが重要だ。十分な教育の保障には、国による給付型奨学金が欠かせない。

 本来、貧困対策は国の仕事で、集中的に資金を投入し解決すべき課題である。

 教育格差を痛感する自治体が連携し、国への働き掛けを強めてもらいたい。