公文書管理を巡る行政中枢の不祥事が次から次に噴出し底なしの様相を呈している。

 衆院予算委員会は11日、加計(かけ)学園、森友学園、自衛隊日報問題などについて集中審議した。

 加計学園問題では、柳瀬唯夫元首相秘書官が愛媛県の担当者らと面会した際、「首相案件」などと発言していたことが、愛媛側作成の文書で明らかになっている。

 安倍晋三首相は衆院予算委で「私から指示を受けた人は一人もいない」と述べ、加計学園の獣医学部新設計画への関与を改めて否定した。

 この発言は潔白の証明にはならない。

 指示文書が存在しないから指示はなかったとか、「首相から指示を受けました」との証言がないから指示はなかった、などと結論づけることはできない。

 直接指示することの危険性を考えれば、官僚が首相の意向を忖度(そんたく)して取りはからった可能性も否定できない。

 柳瀬元首相秘書官は「記憶の限りでは愛媛県や今治市の方にお会いしたことはない」と否定している。

 だが、面談を明確に否定したわけではない。「記憶の限りでは」という前置きがくせものだ。

 森友学園を巡っては、前代未聞の決裁文書改ざんだけでなく、財務省が森友側に対し、ごみ撤去費用について口裏合わせを依頼していた事実も表面化している。

 イラク派遣部隊の日報問題では、「不存在」と説明してきた日報が存在していたことが明らかになった。

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 陸上自衛隊は昨年3月の時点で文書の存在を確認していながら1年以上も事実を公表しなかった。そればかりか、情報公開請求に対し、文書が「ない」と虚偽の回答をしていたのである。

 文書改ざんに情報隠蔽(いんぺい)、虚偽答弁に口裏合わせ。民主政治を支える最も重要な要素である「公文書管理」「情報公開」「説明責任」がこれほど軽視され、いい加減に扱われたことが、かつてあっただろうか。

 「国権の最高機関」である国会を欺き、民主政治への信頼を失わせた責任は重大だ。

 加計、森友、日報問題は安倍首相や麻生太郎財務相に直接関わる案件である。にもかかわらず、2人から真相究明に向けた強い意思は伝わってこない。

 柳瀬元首相秘書官ら関係者を証人喚問すべきである。事態をうやむやに処理することは許されない。

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 内閣法制局は集団的自衛権の行使を可能とする憲法解釈変更の検討過程を公文書として残していなかった。

 名護市辺野古の新基地建設を巡る岩礁破砕についても、どのようなやりとりがあって

従来の見解を変更したのか、明らかにされていない。

 沖縄では、日米合同委員会における日米合意の内容も、米側が反対しているとの理由で公表されないことが多い。

 加計、森友、日報に、辺野古問題。安保法、特定秘密保護法に、「共謀罪」法-。安倍政権の下で、開かれた政治は危機的な状況にある。