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  • 米は代替施設が運用できない状態での普天間飛行場閉鎖を強く拒否
  • 米議会報告書「米軍の沖縄駐留と普天間基地論争」に明記されている
  • 訴訟について専門家は「計画が大幅に遅れ、実現性に疑問呼ぶかも」

 【平安名純代・米国特約記者】米議会調査局が先月20日に議会提出した報告書「米軍の沖縄駐留と普天間基地論争」で、仲井真弘多前知事が2013年に日本政府に要請した米軍普天間飛行場の5年以内の運用停止について「米当局は、代替施設が運用可能となる前に普天間を閉鎖するいかなる案も断固拒否した」と記していたことが分かった。

記者会見で埋め立て承認の理由を説明する仲井真弘多前知事(2013年)

 普天間移設をめぐる背景や動向など8項目において分析した同報告書は、「沖縄における米軍基地をめぐる政治」の項で、東京と沖縄の関係、県知事の役割、名護市の政治力学の三つを検証。名護市辺野古の埋め立てを承認した仲井真前知事について、「代替施設の建設を許可する埋め立て承認の条件を提示するために上京した」とし、普天間の5年以内の運用停止など4項目を日本政府に要請。これを受け、安倍晋三首相は経済支援など全力を尽くすと約束したものの、普天間の運用停止要請については「米政府の同意なしに、日本政府が基地に関する事項を一方的に決める権限はない」と指摘。米側は仲井真氏のその他の要請内容については一定の協力姿勢は示したものの、普天間の運用停止要請は「断固拒否した」と強調した。

 新基地建設に反対する翁長雄志知事については、埋め立て承認を検証する第三者委員会を設置したほか、反対を訴えるため昨年6月に訪米。8月には海外識者らが翁長氏に埋め立て承認の取り消しを促す緊急声明を発表。翁長氏が10月に埋め立て承認を取り消して以降、県外でも新基地に反対するデモなどが実施されるなど動きが拡大しているなどと分析した。

 県と政府の法廷闘争をめぐる今後の見通しについて「専門家の多くは、結果的に政府が県知事の異議を無効化できるだろうとみているが、計画に大幅な遅れが生じ、代替施設計画の実現性が再び疑問を呼ぶ可能性がある」と総括した。

 米上院軍事委員会のマケイン委員長は、同報告書の内容を踏まえて3日の公聴会で、「沖縄内の政治問題が私や他の委員にとって不満の要因となっている」などと移設をめぐる状況にいら立ちを示していた。