台湾で政治の大きな変化が起きている。先月の総統選で民進党の蔡英文氏が当選し、8年ぶりに国民党から政権を奪還。同時に行われた立法院(国会)選でも過半数の議席を占めて圧勝した

▼現総統の馬英九氏が中国に近づき過ぎたことへの揺り戻しとの見方もあるが、自分は台湾人だと考える「台湾アイデンティティー」の強さが際立った選挙結果である

▼若者も動いた。2014年春に学生らが対中国貿易自由化に反対して立法院を占拠した「ヒマワリ学生運動」の流れをくむ新党、時代力量(時代の力)も5議席を得た。当選者は30代から40代。1月29日の東洋経済オンラインで、主席の黄国昌氏(42)は「若い世代の市民覚醒」と胸を張った

▼黄氏は古い体質の政治や社会システムを強く批判。「自分たちの未来は自分たちで決めたい、との思いが若者を投票所に向かわせた」とする。事実、20代の投票率は平均より8ポイント以上も高い74・5%だった

▼日本でも夏の参院選に向けて、安保関連法に反対する若者らの組織「シールズ」が、賛成した議員らを落選させる運動を展開し、巨大与党に対抗するリベラル勢力の結集を呼び掛けている

▼台湾では若い世代の立候補が投票率アップにつながった。日本では18歳選挙権が参院選から適用される。若者たちが将来に向けどう動くのか、注目したい。(玉寄興也)