松本清張の初期の短編「ある小官僚の抹殺」は、汚職事件に関与したノンキャリア官僚の死の真相をめぐる推理小説。社会派と呼ばれた作家らしい筆致で、権力と職務のはざまで苦悩する役人の末路を描く▼巻き込まれた下級官僚は死に追いやられ、政治家や高級官僚は巧みに追及を逃れる。