北朝鮮は7日午前、「人工衛星の打ち上げ」と称し、事実上の弾道ミサイルを発射した。

 日本政府の発表によると、発射されたあと上空で五つに分離、このうち二つが沖縄上空を通過し、洋上に落下した。

 4回目の核実験からほぼ1カ月。国連が制裁決議の採択に向け協議を重ねているさなかに、「国連安全保障理事会決議に反する」との関係国の中止申し入れを無視して、発射を強行したのである。

 北朝鮮は昨年5月、潜水艦発射型の弾道ミサイル(SLBM)の「実験成功」を伝える映像を流した。一体、どこまで暴走を続けるのか。

 国際社会はもはや北朝鮮の挑発を食い止めることができなくなったのだろうか。

 核実験に続く事実上の弾道ミサイル発射は、韓国や日本にとって大きな脅威であるが、国連にとっても極めて深刻な事態だ。

 国連加盟国が安保理決議に違反する行為を重ねても、それに対して国連が有効な手を打てないとすれば、国連に対する信頼性は損なわれ、核拡散防止条約(NPT)体制も大きく揺らぐ。

 米国は発射中止への決め手を欠き、中国も武大偉・朝鮮半島問題特別代表を北朝鮮に派遣したものの成果が得られず、北朝鮮に対する影響力低下を印象づけた。

 米中2大国が、核開発に突っ走る北朝鮮に振り回されている構図が浮き彫りになったのである。

 米中は日韓とも連携し、実効性のある新たなアプローチを打ち出す時期に来ている。

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 突然、テレビの画像が変わり、「国民保護に関する情報」という表題の文字情報が流れた。「発射情報。発射情報。先ほど、北朝鮮からミサイルが発射された模様です」。ほぼ同時に、携帯電話にも同じ内容のエリアメールが届いた。

 戸を開け外の様子を伺うと、豊見城市の防災無線も大きな音量で発射情報を伝えていた。

 北朝鮮が事実上の弾道ミサイルを発射したとの情報は、緊急情報ネットワークシステム「エムネット」や、全国瞬時警報システム「Jアラート」を通して、テレビ・携帯電話・防災無線の三つの媒体から、ほぼ同時に、茶の間に届いたことになる。

 自衛隊はミサイルの破壊措置命令を出し、沖縄本島のほか、宮古島、石垣島にも地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を配備した。

 通告通りに飛んでくるとは限らない飛翔体を誘導弾で打ち落とすことが果たして可能だろうか。

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 仮にパトリオットが目標を外れた場合、日本の防空態勢は根底から揺らぐ。命中したとしても、無数の破片が住民地域に落ちてくるのではないか。「発射情報」から「通過情報」までの所要時間はわずかに8分。住民はどうすればいいのか。

 実際に戦争になって長距離弾道ミサイルが発射されるとき、ミサイルに装着されるのは核弾頭か化学兵器かもしれない。朝鮮半島非核化に向け関係国が本気になって取り組むべき時だ。