北朝鮮は7日午前9時31分ごろ、「人工衛星打ち上げ」として予告していた事実上の長距離弾道ミサイルを北西部東倉里から南方に発射した。日本政府などが発表した。沖縄上空を通過したが、日本の領域内への落下はなく、防衛省は破壊措置命令に基づくミサイル迎撃を実施しなかった。朝鮮中央通信は地球観測衛星「光明星4号」を軌道に進入させるのに「完全に成功した」と伝えた。

ミサイル発射の報を受け、緊張した表情で確認作業を行う県防災危機管理課の職員=7日午前9時33分、県庁

 沖縄県は7日午後、翁長雄志知事を本部長とする県危機管理対策本部会議を開き、北朝鮮のミサイル発射で「県内での被害は確認されていない」と報告した。翁長知事は「現時点で県民に被害や混乱はなく、平穏な生活環境が維持でき、ひとまず安心している」と語り、引き続き情報を収集するよう、出席した部局長らに指示した。

 総務省消防庁からの情報を伝達する全国瞬時警報システム(Jアラート)は各自治体で正確に稼働し、防災行政無線などを通じ、住民らに発射と上空通過の情報が伝えられた。緊急情報ネットワークシステム「エムネット」の情報についても県と県内41市町村で受信が確認されたという。

 土木建築部は午前9時35分から約8分間、沖縄都市モノレール「ゆいレール」が一時運行を休止したと伝えた。農林水産部は県漁業無線局からの情報として、「県内の漁船や漁業関係者への被害はなかった」と報告した。

 県防災危機管理課の職員らは7日午前6時半に出勤し、各市町村や消防の態勢を確認。自衛隊、消防庁、海上保安庁の職員らも待機した。

■知事「心臓凍る思い」

 北朝鮮のミサイル発射を受け、翁長雄志知事は7日午後、記者団に「発射から6~7分で沖縄の上空を通過したことに、県民の安心と安全を預かる知事として心臓が凍る思いがする」と危機感をあらわにした。

 北朝鮮のミサイル発射や核実験の強行に対し、「明白な国連安全保障理事会の決議違反」と指摘。「重大な挑発行為であり、大変遺憾である」と批判した。

 宮古や八重山地域に自衛隊が一時配備されたことには「万万一の対応」と評価する一方、先島諸島への今後の正式な自衛隊配備について「それはそれとして、抑止力や防衛のあり方などは、慎重に真剣に私ども県民に説明する中から判断してほしい」と語った。