沖縄市胡屋で飲食店を営む金城悦子さん(61)が、米国オレゴン州に住む異母兄のマーク・ダンリーさん(62)と初めて対面し、互いの絆を深めている。昨年4月に亡くなった父親のドナルド・ダンリーさんの遺言書で沖縄に妹がいることを初めて知ったマークさんが、悦子さんの所在を突き止めて1月末に来沖した。悦子さんは兄の存在を知っていたが「まさか会えるとは思わなかった」と60年を経ての対面を喜んでいる。

60年を経て対面した(前列左から)金城悦子さん、マーク・ダンリーさん、妻のケイさん。奥は金城さんの娘の上田里奈さん(左)、友人の川畑康子さん=3日、沖縄市胡屋

 父ダンリーさんは1953年3月から1年間、陸軍兵として沖縄に駐留した後、米国に戻った。悦子さんは母親から住所を教えてもらい84年に父親を沖縄に招待。その際、異母きょうだいの兄のデービッドさん(63)とマークさん、妹のデアさん(54)がいることを教えてもらったという。

 その後、音信は途絶えていたが、昨年肺がんのため84歳で亡くなったダンリーさんの遺言書に悦子さんの名が記されていたことから、マークさんは悦子さんの存在を初めて知った。東京の調査会社に依頼して突き止め、昨年6月インターネット電話スカイプを使って初めて会話した。

 マークさんは「人生で一番の思い出。お互いに泣いた」と振り返る。妻のケイさん(62)と1月末に来沖したマークさんは悦子さんに、米国にいる他のきょうだいや家族を写したアルバムをプレゼント。また悦子さんの長女里奈さん(38)には、長兄デービッドさんが幼少時に着ていたまつりの法被を贈った。悦子さんは沖縄駐留時代の父親の写真を見せ、会話を弾ませた。

 マークさんは今月9日まで滞在する予定。3日、悦子さんの営む飲食店でマークさんの歓迎会が開かれ、常連客から花束を手渡されたマークさんは「会いたくないと言われるかもと心配もあった。本当に感動している」と感極まった様子。悦子さんはマークさんと仲良く腕を組み、「小さいころ、兄がいたらいいな、腕を組んでみたいと思っていたが、その夢が実現した。きょうだいと認めてくれてうれしい」と喜んだ。