泡盛出荷量の減少に歯止めがかからない。

 県酒造組合が発表した2017年の泡盛総出荷量(アルコール度数30度換算)は1万7709キロリットルで、前年を5・3%下回った。前年比で減少するのは05年から13年連続となる。

 沖縄ブームに後押しされ、出荷量のピークとなった04年と比べると、昨年は4割近くも減少したことになる。

 全国的にもアルコール消費人口の低下傾向が続いており、泡盛消費もその流れの中にある。若者や女性の泡盛離れ、消費者の好みの多様化、他のアルコール飲料との競合の激化があり、泡盛が選ばれにくくなっているとも言われてきた。

 昨年はさらに、酒税法の改正に伴って策定された「公正取引に関する基準」に基づき、商品価格を上げたことも影響して、減少幅が拡大した。

 酒造会社の経営状況をみると、16年ベースでは45社のうち3割を超える16社が営業損失となっており、本業では厳しい状況となっていることがうかがえた。

 来年5月には、復帰特別措置法に基づく酒税軽減措置の期限切れとなる。業界は、10回目の延長を国に求めていくとみられる。軽減措置が続かなければ、小規模の酒造所が多いだけに経営危機に陥るメーカーが出てくることは容易に想定される。

 税金をまけてもらうという軽減措置に賛否が分かれる中、各企業の努力は当然、業界全体での危機意識の共有と改善策の模索がなければ、事態を打開するのは難しい。

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 泡盛の生産量は、2千~5千キロリットルを生産するメーカー3社が全体シェアの半数を占める。2千キロリットル以下のメーカーがほとんどで、100キロリットル以下が26社と最も多い。

 営業損失を計上しても事業継続できているメーカーもある。なんとか成り立っていることから、企業の枠を超えた協業化や経営の質的向上が思うように進まず、事業拡大や業界全体の底上げに至っていないことは以前から指摘されてきた。

 そういう体質が結局、業界全体で浮揚する足を引っ張ってはいないか。業界は経営改善に取り組むことを重点施策に位置づけているが、体質改善はそう簡単にできるものでもない。

 どこに問題があり、変革が遅れてきたのか。どう改善しいくのか。泡盛を誇る県民にも見えるようにして、逆風をはね返す取り組みを進めてもらいたい。

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 琉球王国時代から長く受け継がれてきた泡盛は、食や工芸などと深く関係し、沖縄の文化を支えてきた銘酒である。それ故、県民も業界の動向に無関心ではいられない。

 消費者ニーズにあった商品の開発や官民一体となった泡盛の輸出強化のプロジェクト、「泡盛マイスター」の内外での普及などの動きがある。出荷や消費の拡大に向けたさまざまな取り組みが近年、活発になっているのは心強い。

 業界の努力だけではなく、県民も文化を大事にするとの観点から、泡盛との“出会い”を大切にしてもらいたい。