4月から6年計画でスタートする「県子どもの貧困対策推進計画」の素案が発表された。

 18歳未満のおよそ3人に1人が貧困の中で暮らすという深刻な状況を地域全体の問題としてとらえ、貧困の連鎖を断ち切ろうと計画された総合施策である。

 評価できる点は、子どもの貧困に関する34の指標で、計画が終了するまでに実現したい目標値や目安を盛り込んだことだ。

 「自治体の無料塾を現在の32から全41市町村に」「大学等進学率を39・8%から45・0%に」「生活保護世帯の子どもの高校進学率を83・5%から全国並み(2013年は90・8%)に」などは、県民に掲げる公約であり、今後、対策の効果を検証する上でも重要となる。

 政府の「子供の貧困対策大綱」で数値目標の設定が見送られ実効性が問われたことと比べ、県の意気込みと危機感が伝わってくる。

 より厳しい状況にある生活保護世帯や児童養護施設で育つ子どもへの施策を厚くし、力点を置いたのも特徴だ。

 中退者が学力検査なしに入学できる「学び直し」高校設置の検討、親の帰りが遅い家庭で子どもの夜の居場所の確保、中卒無職少年への支援など、これまで光の当たらなかった問題へも踏み込む姿勢をみせる。

 子どものライフステージに応じた施策の中で、特に目立ったのは教育に関する項目である。

 貧困の世代間連鎖を防ぐ教育の力を重視した計画だ。

■    ■

 子どもを貧困から救うには、親の貧困解消が不可欠である。

 素案では貧困率が高いひとり親家庭への自立支援や就労支援など保護者向けの対策も列挙する。

 13年度県ひとり親世帯等実態調査によると、働くシングルマザーの半数が非正規雇用で平均年収は155万円。ほとんどのシングルマザーが「働いているのに貧困」という状況を考えると、示されたメニューだけでは足りない。

 非正規の待遇改善、正社員への転換促進など雇用政策の中でのアプローチを成案までに詰めてほしい。

 一方、周知のあり方が課題となっている就学援助制度、受診率アップを目指す乳幼児健診など実施主体が市町村という多くの支援策では、地域間格差が出ないよう県のリーダーシップが問われる。

■    ■

 先月、県が推計した沖縄の子どもの貧困率29・9%について、素案では改善目標を示さなかった。調査の分析が進んでいないからなのだろうが、ぜひ盛り込んでほしい数字だ。

 予算の裏付けや、「子ども貧困対策課」を立ち上げるなど体制づくりも計画推進に欠かせない課題である。

 貧困対策が適切に講じられた6年後、素案は「子どもたちの笑顔が増え、将来に夢や目標を持ち、希望する職に就き、自立した若者が増えている」とのビジョンを描く。

 子どもたちに約束する未来である。