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  • 約3万年前、日本人の祖先は台湾から琉球列島に渡ったのか?
  • 国立科学博物館の研究者らが当時の航海を再現。ルーツを検証する
  • 当時の竹のいかだや草を束ねた舟で航海し、技術面の謎も解く

 【東京】われわれの祖先は偉大な航海者だったのか? 国立科学博物館は「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」を実施する。日本人の祖先の一部は、旧石器時代の約3万年前に大陸と陸続きだった台湾から海を渡って琉球列島に渡った可能性が高く、同館の海部陽介人類史研究グループ長らが、当時の航海の様子を再現して検証する。9日同館で会見した海部さんは「海を渡って移住した祖先が直面し、乗り越えた困難を検証したい」と話した。

沖縄県与那国島で古代舟を造って試験航海する様子=2014年8月(国立科学博物館提供)

 人類の日本列島への進出ルート

沖縄県与那国島で古代舟を造って試験航海する様子=2014年8月(国立科学博物館提供)  人類の日本列島への進出ルート

 海部さんら人類学や考古学の研究者、海洋探検家など20人以上でチームを結成。当時使ったと考えられる草を束ねた舟か竹のいかだを3隻作り、今年7月に与那国島から西表島、来年7月に台湾から与那国島への実験航海をする。旧石器時代の航海の実験は世界で初めて。

 琉球列島の遺跡調査から、約3万年前には日本人の祖先が住んでいたとみられる。海底地形や化石の研究などから、沖縄に定住した集団は台湾から海を渡ってきたとみられる。

 台湾からの航海には、目的とする島が小さく遠いことや、世界最大の海流の黒潮を越えることなど、困難が多い。実験を通し、どのような舟や航海技術、人数規模だったのかなど、大きな謎を解いていく。一連のプロジェクトをネットで公開し、多くの人と試行錯誤し体験を共有する。

 総費用は約5千万円で、ことし7月の航海に必要な2千万円を一般からネットで募集する「クラウドファンディング」を活用し、調達する。

 14日は同館で、21日には県立博物館・美術館で一般向け説明会を開く。いずれも午後1時半から。概要や募金は、ホームページ https://readyfor.jp/projects/koukai