【南城】人の排せつ物がもとの脱水汚泥や刈った草木、市販の納豆などを原料に、南城市シルバー人材センター(大湾政松理事長)が製造・販売する肥料「くがに1号」が人気だ。今年1月までの半年間で約3200袋が売れた。処分されるはずのごみが畑に還元され、食物となって社会で循環しており、職員は「リサイクルの好例」と喜んでいる。

脱水汚泥や刈った草木で肥料「くがに1号」を作る(右から)川平勇さん、小谷肇さん、仲村渠安則さん=市知念山里の市グリーンエコリサイクルセンター

くがに1号

脱水汚泥や刈った草木で肥料「くがに1号」を作る(右から)川平勇さん、小谷肇さん、仲村渠安則さん=市知念山里の市グリーンエコリサイクルセンター くがに1号

 くがに1号は、同センターが清掃活動で刈った草木を細かくしたチップ1トンに、市と八重瀬町でつくる「島尻消防、清掃組合」の脱水汚泥2トン、市販の納豆やヨーグルトなどで作る発酵促進材「えひめアイ」30リットルをかける。週1回ほどかき混ぜ、3カ月ほど熟成・乾燥させたら完成だ。

 開発のきっかけは2014年春ごろ、脱水汚泥の処理に悩む同組合が、同センターに相談したことから。市玉城愛地の同センター職員川平勇さん(75)が「えひめアイ」で試したところ知人らの反応が良いことから、改良して15年3月までに完成させた。

 肥料は昨年5月、農林水産大臣から販売許可を取得。8月から15キロ260円で提供し、約83万円を売り上げている。「葉野菜の色乗りがいい」「ゴーヤーが、例年より多くなっている」と好評だ。

 家庭菜園でも利用する川平さんは、「かつては大小便を畑にまいており、脱水汚泥を肥料とすることに違和感はなかった。食物を生み出す、きれいな仕事をしていることは誇り」と胸を張る。

 同センターの屋我和枝事務局長(61)は、「ごみを減らして土地に還元し、私たちの口へ入れる食糧を作ることはエコでもある。将来は、生ごみも扱うことができれば」と期待する。

 製造を担当する小谷肇さん(61)は、「手ごろな値段の肥料で野菜を作り、食卓に提供することで、お年寄りが家庭の主役になれる」と笑顔だった。