「被災者に対し何もできなかった」という悔いを、東日本大震災時に活動した多くのソーシャルワーカー(SW)が抱えていたという。学生らが証言をまとめて分析し、肯定的に評価したことで「やっと認められた」「ほっとした」と涙ながらに感謝した人もいた

 ▼被災地のSWの声を聞く活動をしている関西福祉科学大の学生らが先日、沖縄国際大など県内大学を訪れて報告した。分析結果を各地で伝えるのも取り組みの一つ

 ▼暮らしにくさを抱えた人をサポート。学生からすれば「スーパーマンみたいに、めっちゃかっこいい」働きをしながら、評価されないことで疲弊していたとすれば痛ましい

 ▼これまで災害下のSWの働きはあまり語られず、振り返る機会がなかったという。専門性の高い働きをしたと意義付ける学生らの分析は、離れた場所から、現場を力づけるだろう

 ▼報告を聞いた学生を指導している沖国大福祉・ボランティア支援室の稲垣暁さんは、21年前の阪神淡路大震災で被災した。数年後、四国など遠くで震災の記憶をつなぐイベントが続いていると知り「忘れられてはいない」と感じ、心強かったという

 ▼あと1カ月であの日から5年。県内でも東北を思う企画が、これからいくつかある。少しでも支える力になれるよう、震災を心に刻みたい。(安里真己)