昨年12月に沖縄県と辺野古住民ら21人が国土交通相の執行停止決定の取り消しを訴えて提訴した二つの取り消し訴訟で、那覇地裁(鈴木博裁判長)は10日、東京地裁への移送を求めた国の申し立てを却下した。東京地裁にも管轄があるとしながらも、国側の移送申し立てを認めるまでの理由はないとした。

 那覇での審理を求めていた県と住民側は決定を評価。国側は「内容を検討し、関係機関と協議して対応したい」とコメントした。県と住民側の代理人によると、3月にも第1回口頭弁論を開くよう、裁判所と調整中という。決定書で鈴木裁判長は、本件取り消し訴訟を那覇地裁で審理した場合でも、国側の証拠提出に特段の困難はないと指摘した。

 また、被告が所在する裁判所が訴訟を管轄することを定めた行政事件訴訟法12条1項が他の条文に優越する法的根拠はないと判断。同条2項に基づいて那覇地裁での審理を訴える県と住民側の主張には理由があるとした。

 住民側が提起した訴訟については、原告適格(訴訟を起こす資格)が争点になると指摘。「辺野古地区周辺に住む原告の本人尋問が必要な場合がある」として、那覇地裁での審理が適当とも考えられるとした。