【東京】半世紀にわたり長く親しまれているウルトラマンの生みの親で沖縄県出身脚本家の故金城哲夫さんの生涯を描いた劇団民藝の舞台公演「光の国から僕らのために」が10日、都内の紀伊國屋サザンシアターで始まった。

ウルトラマンの生みの親・金城哲夫さんを描いた「光の国から僕らのために」のワンシーン=東京・紀伊國屋サザンシアター(劇団民藝提供)

 超ヒット作を世に送り出しながらも、沖縄と本土のはざまでアイデンティティーが揺さぶられ続けた金城さんの人生の明暗を役者が演じた。金城さんやウルトラマンのファンらが大勢詰め掛け、熱演をたたえた。21日まで。

 ウルトラマンのヒット後、復帰前に帰郷した金城さんは、沖縄国際海洋博の演出も手掛けた。「沖縄と本土の懸け橋になる」をモットーに活動を続けるが、周囲からは理解されずに孤立、最後は失意のまま若くして亡くなった。公演は、ウチナーグチのセリフや伝統芸能を盛り込んだ構成で、沖縄戦からの苦難の沖縄現代史も伝える。

 ウルトラマンファンという専門学校生の小木七海さん(24)=東京=は「金城さんの作品の背景にある体験が分かり、新たな見方ができる。新しい視点で再度ウルトラマンを見てみたい」。千葉市に住む男性(66)は「今も続く沖縄問題の根深さを感じた」と話した。