非正規職員・従業員の割合全国1位、1人当たりの県民所得最下位、世帯収入が少ないひとり親世帯、特に非正規労働者が多い母子世帯は全国の2倍-。さまざまな指標から、子どもの貧困につながる、親の厳しい現状が見てとれる。

濱里正史さん

山内優子さん

濱里正史さん 山内優子さん

 生活困窮者の支援に当たる県就職・生活支援パーソナルサポートセンター南部所長の濱里正史さんは、低賃金に伴う長時間労働が子育て環境に影響していることを指摘。女性の現状に詳しい沖縄子ども貧困解消ネットワーク共同代表の山内優子さんは、困窮が著しい母子世帯への公的支援の拡充を訴える。

■給与水準の底上げ必要 濱里正史さん(沖縄県就職・生活支援パーソナルサポートセンター南部所長)

 沖縄は低賃金のため、長時間労働が常態化していて、ダブルワークもザラにある。そのため、親が、子どもと向き合う時間を確保できなかったり、精神的に落ち着かず子どもに当たってしまうなどの問題が起きている。

 子どもの貧困をなくすためには、最低賃金や給与の水準を全体的に底上げすることが必要だ。社会の構造的な問題で、社会全体で改善に取り組まなければならない。

 夫婦二人の収入なら何とか生活できるが、ひとり親になったとたん貧困に陥るケースが多い。収入の少ないひとり親にとって住居の問題は大きく、離婚後、間を空けずに公営住宅に優先的に入居できるようにし、家賃だけでも負担を軽減する必要がある。

■公的施設の増設が急務 山内優子さん(沖縄子ども貧困解消ネットワーク共同代表)

 県内はひとり親、とりわけ母子世帯の貧困が顕著だが、県外に比べ、公的な支援施設が少ない。

 DVに遭った母親は心身を傷つけられ、離婚後、うつ状態になる。傷を癒やす暇もなく、仕事、家事や育児など、生きていくための課題が一人の肩にのし掛かる。母親を元気にし、次のステップへつなぐための「母子生活支援施設」が県内には3カ所しかなく、増やす必要がある。

 若年出産した母親の支援も重要だ。学歴や職歴がないため、職業選択の幅が狭められ、夜の仕事に就くことが多い。夜間、子どもたちを預かる夜間保育所のニーズが高いが、県内は認可園が3カ所と少ない。

 子どもの貧困をなくすためには親の支援が必須で、公的施設の整備は喫緊の課題だ。