【名護】横浜出身のジャズトランペット奏者、村田浩さん(72)のライブが12日、名護市の国立療養所沖縄愛楽園公会堂であった。村田さんが初めて同園で演奏した1964年、屋外に出て聴きに来る入所者はいなかった。この日、会場では入所者や園外から訪れた約100人が一緒になって軽快なリズムを楽しむ光景があった。

ジャズの名曲を演奏する村田浩さん(中央)らバンド。入所者や園外の人など約100人が楽しんだ=12日、沖縄愛楽園公会堂

 村田さんが愛楽園で演奏するのは4回目。大学生だった64年、吹奏楽部約40人で園の屋外で演奏したが、居住棟から出てくる人はいなかったという。再度訪れた65年は、遠くのベンチに座って演奏を聴く入所者の姿があった。

 同園交流会館学芸員の辻央さん(37)は「社会的な差別の経験から、ハンセン病療養所にいることを隠している人が多かったからではないか」と推し量る。

 ライブは、園外の人にも足を運んでほしいと入場無料で企画された。村田さんの提案で、ジャズにアレンジした「春が来た」を会場と一緒に歌う場面も。

 45年ぶりに訪れた村田さんは「愛楽園のことがずっと頭のどこかにあった。きょうここで、皆さんが楽しんでいる顔を見ることができて本当に楽しい」とほほ笑んだ。辻さんは「当たり前のことだけど、皆が垣根なく一緒に楽しんでいた。60年代当時と比べると大きな変化だと思う」と話した。

 13日午後6時からは、南風原文化センターでライブがある。入場無料。