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  • 「学校欠席者情報収集システム」で学級閉鎖や感染者数が共有できる
  • これまでは保健所に確認していたため約10日のタイムラグがあった
  • 国立感染症研究所が開発。早期対策により感染拡大が半減した地域も

 インフルエンザなど感染症が流行しやすい学校などで集団発生を早期把握し、対策につなげようと「学校欠席者情報収集システム」の導入が昨年9月から沖縄県内で始まっている。インターネット上に感染者数や学級閉鎖の有無などを入力し、互いの情報がリアルタイムで分かる。県保健医療部健康長寿課結核感染症班主任技師の平良勝也さんは「素早く流行を把握することで、学校だけでなく地域全体の感染拡大が防げる」と期待する。(学芸部・豊田善史)

「学校欠席者情報収集システム」の画面の一部(インフルエンザの欠席者数が色別で表示)

流行している感染症の状況を確認する開南小学校の新城真理子さん=那覇市の開南小学校保健室

「学校欠席者情報収集システム」の画面の一部(インフルエンザの欠席者数が色別で表示) 流行している感染症の状況を確認する開南小学校の新城真理子さん=那覇市の開南小学校保健室

 平良さんによると、学校の感染者数の把握はこれまで、学校が記録した台帳から保健所などを通し確認していたため、10日近いタイムラグがあった。県が注意報を出すころには警報レベルに達し、拡大していることも多かったという。

 システムは、県内各小中学校の担当者らが欠席者の疾患名や症状、学級閉鎖の有無などを入力することで「校医や保健所などとリアルタイムに情報が共有できる」と説明。「インターネットで情報の一部を公開しており、一般の方も確認できる。自分の地域で何が流行しているのか、予防策として活用してほしい」と紹介した。

 同システムは国立感染症研究所が開発、県外では導入後、早期対策につながり、感染の拡大が半減したとの報告もあるという。

 県内では昨年末までに、県内小中学校など約630カ所に設置され、現在の稼働率は7割。平良さんは「県内は毎年インフルエンザが流行傾向で、今後、予期せぬ感染症が発生する可能性もある。早期に対策が取れるよう、日々の入力作業を慣習化してほしい」と呼び掛ける。

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 那覇市の開南小学校では9月に同システムを導入した。各クラスの担任から提出される出席簿を基に毎朝、入力している。同小学校は全15クラスあり、生徒数は370人。入力を担当する養護教諭の新城真理子さんは「作業は15分以内で済むので、ほぼ午前中で終えている」と話す。

 導入時に児童数や学級数などの設定が必要だが「やってみると簡単にでき、すぐに慣れた」と振り返る。

 これまで、インフルエンザなどが流行していた時には、近隣校と電話などを通して状況を確認していた。

 「今ではリアルタイムに県内や中学校区ごとの様子が分かる」と新城さん。「各クラスの担任に予防を呼び掛け、家庭には『ほけん便り』を通して伝えている。早期に対策できることは大きい」と話した。