大弦小弦

[大弦小弦]試合前、とにかく無事に終わってほしいと願う一方で…

2018年4月17日 07:20

 試合前、とにかく無事に終わってほしいと願う一方で、あの豪打が1発でも当たればと淡い期待もあった。15日のボクシング世界戦、減量失敗で王座を剥奪された比嘉大吾選手は9回TKO負け。勝負の世界は甘くなかった

▼比嘉選手の失態は海外選手による体重超過が多発したことを受け、業界が厳罰化に乗り出す中で起きた。ボクサー失格の批判は免れない

▼だが問題となった選手は過酷な減量をわざと放棄。無理をせず、ベルトを失っても勝利を優先する意図が露骨だったのに対し、比嘉選手は絞り切った。残り900グラムはもう限界で、汗一滴も出なかった

▼少しでも周囲の期待に応えたいと、責任感だけで試合に臨んだように見える。でも最大の武器である強い足腰に力が入らない。上体だけで放つパンチに威力はなく、得意の接近戦で打ち負けた

▼心身共にぼろぼろの戦いを、沖縄からの応援団が大声援で支えようとした。会場が静寂する瞬間を狙って何度も飛ぶ「減量失敗」のやじを、大吾コールでかき消した

▼若くして頂点を極めたキャリアの中で、初めて味わう挫折感。科される出場停止は1年間ともいわれる。でも大吾、沖縄の大声援が聞こえるか。再びKOの山を築き、屈託のない笑顔が見られる日をみんな待っている。まだ22歳、失った栄光はリングの上で取り戻せ。(磯野直)

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