名護市辺野古への新基地建設をめぐる二つの裁判が15日、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)である。国が沖縄県を相手に起こした代執行訴訟では、翁長雄志知事の本人尋問があり、知事は自ら下した埋め立て承認取り消し処分の適法性などを訴える。国地方係争処理委員会(係争委)の決定を不服として、県が国を提訴した係争委訴訟は第1回口頭弁論を迎える。

福岡高裁那覇支部

 仲井真弘多前知事の埋め立て承認を取り消したのは違法だとして、国が翁長知事を相手に起こした代執行訴訟は午後2時に開廷。

 本人尋問は、県側と国側の代理人による一問一答式で行われる。翁長知事は承認を取り消した経緯などを証言し、多くの米軍基地が沖縄に集中し続ける現状にも言及するとみられる。県側の主尋問が約90分、国側の反対尋問が最長で約60分になる見込みで、計2時間ほどになる予定だ。

 代執行訴訟をめぐっては前回の口頭弁論で、多見谷裁判長が二つの和解案を提示した。一つは埋め立て承認取り消しを撤回する代わりに30年以内の「返還」か「軍民共用化」を米国と交渉するよう国に求める「根本的」案。もう一つは国が代執行訴訟を取り下げ、工事を止めて県と再協議する「暫定的」な案とされている。口頭弁論終了後には、県、国を交えた和解協議も開かれる見込み。

 同日午後1時15分から始まる係争委訴訟で、県側は取り消し処分の効力を止めた国土交通相の執行停止決定の取り消しを求め、国側は訴えの却下などを主張している。2000年の係争委設置以降、同委員会の決定を不服とする全国初の訴訟で、この日は県と国側で書面を交換して終わるとみられる。