戦後の教育制度改正で、初等教育の高学年が中学校に変更されたため、小学校の卒業証書を受け取っていなかった卒業生への授与式が13日、那覇市の高良小学校(津波津賀子校長)であり、創立70周年式典の中で津波校長が一人一人に証書を手渡した。半世紀以上を経て卒業証書を受け取った卒業生らは「感無量」と声を詰まらせた。

津波津賀子校長(左)から約70年ぶりに卒業証書を受け取った卒業生=13日、那覇市・高良小学校

 1946年に開校した高良小学校。教育制度が「6・3制」へ改正されたことから、同校も48年4月、初等教育の6~8年生が中学1~3年生に変更された。

 「卒業証書をもらっていない人がいるのでは」との声があがったのは、70周年記念事業の実行委員会が立ち上がった2013年ごろ。卒業名簿にもないことから式典での授与式開催を決めた。地域の公民館に手紙を送ったり、同校に通う児童の保護者らに案内を届けるなどして、1934年4月から37年までに生まれた卒業生に呼び掛けた。

 当日までに申し出があった11人のうち、式典には5人が集まった。スーツに身を包み、緊張した面持ちで壇上に上がった卒業生ら。津波校長が「遅くなりました、おめでとうございます」と差し出すと、頬を緩めながら約70年ぶりの卒業証書を受け取った。

 中学時代の写真を持参した上原秀政さん(80)は式典中、何度も目元をぬぐった。「高良小で一生懸命遊んで勉強したからここまで生きてこられた。こんなうれしいことはないよ、長生きしてよかった」。上原興一さん(78)も「戦争のときは1年生だった。終戦して高良小に入り直したわけさ。まさかこの年で卒業証書もらえるなんて思わなかった」と喜んだ。

 式典後、5人は真新しい卒業証書と記念撮影。家族や参列者からたくさんのフラッシュを浴びながら、晴れやかな表情を浮かべた。